もし同じ日に双子が自殺を図ろうとしたら?話題の新作をクリステン・ウィグが明かす!
映画『LIFE!』のクリステン・ウィグが、新作『ザ・スケルトン・ツインズ(原題) / The Skeleton Twins』について共演者ビル・ヘイダーと共に語った。
本作は、恋人と別れ自暴自棄になったゲイのマイロ(ビル・ヘイダー)が自殺を図るも未遂に終わり、その知らせが偶然にも同じ日に自殺を考えていた双子の姉マギー(クリステン・ウィグ)に届いたことで、10年もの間疎遠だった彼らが故郷に戻り、お互いの関係を修復していく姿を描くドラマ。若手監督クレイグ・ジョンソンがメガホンを取った。
人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」でクリステンと共に活躍したビルは「今作の脚本を受け取ったのは2010年で、そのときはコメディーよりもドラマの要素が強かった。すぐにクレイグ監督に会って製作する話になったけど、その後3年半も製作費が集まらなかった。ところが、この脚本をクリステンに送ると、当時彼女はたくさんの作品を抱えていたのに、もし僕がクリステンに姉を演じてほしいと思っているなら参加する、と言ってくれたんだ。彼女の参加で、すぐに製作費金が集まり製作ができた」と語った。そんな「サタデー・ナイト・ライブ」時代の掛け合いが、双子の姉弟として映画内でも生かされている。
売れない俳優マイロというキャラクターにビルは共感が持てるという。「僕自身もオクラホマ州タルサから映画界での成功を目指してLAに移ったものの、もし成功しなかったらという恐怖感が当時あったから、共感できた。故郷に戻り姉や先生との再会を通して、自分の人生を見つめ直していく点にも同感だ。それに、観客を信用してキャラクターを明確にせずに曖昧に描く点が1970年代をほうふつとさせていた。そんなキャラクターを描いた脚本を受け取ることは近年まずない」と絶賛した。
困難だった撮影についてクリステンは「マイロとマギーがけんかをするシーンで、マギーがマイロに許されないようなヒドい言葉を投げかけるシーンがあるの。もちろん、役柄ではあるけれど、長年友人のビルに面と向かって、そんなヒドい言葉をかけるのはすごく難しかったわ。撮影ではそのシーンを何度も撮り直したため、こんな卑劣な言葉を何度も掛けられないわと監督に言ったほど」とコメント。その言葉の通り、映画内ではそれが重くマイロにのしかかることになる。
映画は重い題材を扱いながらも、双子の姉弟の辛辣(しんらつ)なジョークの掛け合いによって共感の持てる作品になっている。 (取材・文・細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)