中井貴一、大の人見知りと告白
20日、映画『柘榴坂の仇討』初日舞台あいさつが都内で行われ、主演の中井貴一、阿部寛、広末涼子、藤竜也、木崎ゆりあ(AKB48)、近江陽一郎、そして若松節朗監督が登壇した。中井は共演の藤や近江から「美しい」「(演技を見て)もらい泣きしそうになった」と絶賛されると照れ笑いを浮かべ、実は大の人見知りであることを告白した。
本作は、浅田次郎の短編集「五郎治殿御始末」に掲載されている一編を、映画『沈まぬ太陽』の若松監督で映画化。主君のあだ討ちを命じられた武士の生きざまを通し、夫婦の愛や日本人の心を描いた感動作だ。
中井は「時代劇(の興行収入)がよくない時代ですが、真正面から人を捉えた作品。日本人の心を何とか伝えたいと思い、スタッフやキャスト一丸となり、精一杯努力しました。(初日を迎え)育て上げてきた娘を嫁がせるような、花嫁の父のような気持です」と胸の内を明かすと、阿部も「こういう作品に参加できることを待ち望んでいました。日本人の忘れてはいけない武士の気持ちが画面からヒシヒシと伝わってきます。普段は自分の作品を観ると、ダメなところばかりが目立ってしまうのですが、この作品には涙しました」と本作が特別な位置付けの作品であると語った。
中井演じる金吾の妻・セツを演じた広末も「わたしも見終わったあと、目を腫らして会場を後にしました」と述べると、「日本人の男性はシャイで不器用な方が多いですが、それを超えて通じ合ったときに得る愛の大きさが感じられます」と見どころをアピール。藤も「いいものを作ろう、作っているんだという気迫に満ちた現場でした。特に中井さんの覚悟を感じて、もらい泣きしそうになりましたよ」と中井を絶賛した。
そんな中井だが、実は大の人見知りだそうで、初共演の藤に対して「なかなか話ができなかったのですが、役者というのは、言葉を交わすよりも、芝居で通じることが大事。藤さんに胸を借りて演じました」と告白し、場内を沸かせていた。(磯部正和)
映画『柘榴坂の仇討』は公開中