「深夜食堂3」小林薫、マスターの謎が魅力 顔の傷にも触れない
10月より3年ぶりの新シリーズがスタートする人気深夜ドラマ「深夜食堂3」の初回放送分が完成し24日、都内で行われた取材会に主演の小林薫と松岡錠司監督が出席して抱負を語った。
新シリーズ第1話のタイトルは「メンチカツ」。ゲストに美保純と岩松了を迎える。映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』などで知られる松岡監督は「シリーズが続いて多くの方に注目され、さらに映画化されるなんて、（2009年のシリーズ）1作目には全く考えていなかった。新シリーズは（美術監督の）原田（満生）くんが、さらに作り込んだセットを仕上げ、少しやり過ぎの感があるほど。『深夜食堂』という空間が、どんどん増殖しています」とスケールアップした最新作を紹介する。
人気コミックを実写化し、繁華街の片隅で深夜だけ営業する小さな食堂「めしや」を舞台に、店のマスターと少しクセのある客たちとの温かな交流をつづる本ドラマ。主役のマスターを演じる小林は「マスターは店でお客さんを待っているだけで『あいよー、いらっしゃい』しか言っていない。だから果たして主役なのかと思うんです。主役はむしろ毎回のゲストの方」と言いつつ、「マスターがどんな人物か、全部見せないところがいいですね。顔の傷も、誰も触れない。人柄を作り込む足し算の演技じゃなく、余白がある引き算の演技でちょうどいい」とさまざまな事情を抱えて店にやってくる人物を心地よく受け入れる演技の秘密を語った。
松岡監督のほか、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」のフードスタイリスト・飯島奈美らが続投。映画『私の男』の熊切和嘉が新たに監督に名を連ねる。小林が主演し、松岡監督がメガホンを取る映画『深夜食堂』は来年1月31日公開。松岡監督は「今回の新シリーズと映画で、『深夜食堂』が大きなかたまりとして、一回着地した、一つの集大成になった気がしています」と手応えを感じていた。（取材・岸田智）
「深夜食堂3」は10月19日深夜0時50分よりMBSにて、10月21日深夜1時11分よりTBSにて（RKBは深夜1時8分～）放送開始