100歳老人マスクに製作費の大半が消えた!大ヒットスウェーデン映画の裏話
![来日したフェリックス・ハーングレン監督](https://img.cinematoday.jp/a/MlW0vU0bzTwr/_size_640x/_v_1411646694/main.jpg)
25日、スウェーデン映画『100歳の華麗なる冒険』のフェリックス・ハーングレン監督が来日し、都内で行われたジャパンプレミアに、スウェーデン出身のタレント・LiLiCoと、ジャズシンガーの綾戸智恵と共に出席。「日本に来るのは2回目。日本に来ることができて本当にうれしい」と笑顔を見せた。
原作は人口950万人ほどのスウェーデンで100万部を売り上げた、100歳の誕生日に老人ホームから逃げ出したおじいちゃんの姿を描いたヨナス・ヨナソンのベストセラー小説。「ストーリーに自分がほれ込みすぎていたので、プレッシャーというのはなかった」と語るハーングレン監督だが、「でも、原作者がどう思うかについて非常にナーバスになった」と打ち明ける。本国でのプレミア上映の1週間前、ヨナソンから早朝にメールが入り、「3回夜通し(作品を)観て、1回目は自分の本をどうしてくれたんだと思った、2回目はなかなかいい作品だと思った、3回目は本当にいいものを作ってくれてありがとうと思った」というコメントをもらったといい、「本当にホッとしました」と当時を振り返った。
撮影中は主演のロバート・グスタフソン(50歳)を100歳の老人に見せるための特殊メイクが大変だったといい、「最初に特殊メイクを施したときは8時間くらいかかった。外すのに1時間。シリコンで作られた、塗っていくタイプのマスクで、その日の撮影が終わるとベリッとはがしてもう2度と使えない。その値段が1回約70万円。それを55回使ったので、今回の製作費は大方そこにつぎ込まれることになりました」と紹介。そんな本作は本国スウェーデンで社会現象的大ヒットを記録しており、ハーングレン監督は苦労が報われたと晴れ晴れとした表情だった。
本作について綾戸は「スウェーデンって静かな国のイメージですけど、この映画で印象が変わった。LiLiCoちゃんが面白い理由もわかった」と親しみを込めてコメント。LiLiCoも「母国スウェーデンの映画が日本に来るたびうれしく思っています」と目を輝かせていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『100歳の華麗なる冒険』は11月8日より新宿ピカデリーほか全国公開