片岡愛之助、巨匠・楳図かずおにラブリーな「ボーダー」物プレゼント!
人気漫画家・楳図かずおが、77歳(撮影時点)にして初めて映画監督に挑戦したホラー『マザー』で、楳図本人役を務めた歌舞伎俳優・片岡愛之助が昨年のクリスマス、赤白のボーダー柄がトレードマークであるホラー漫画のマエストロに、同柄のストールをプレゼントしていたことを語った。
幼いころから「まことちゃん」をきっかけに、楳図作品の魅力にハマっていったと語る愛之助。「今思えば、『まことちゃん』に登場するキメポーズ“グワシ”は、歌舞伎の見えと同じ意味合いがあります」と意外な切り口で作品を語る彼に対し、「歌舞伎から派生した時代劇のチャンバラもそうですし、漫画の中でもカッコよくポーズを決めることって、ここがシーンの盛り上がりで、ひと区切り、という意味合いがあるので、作品作りではとても大事なこと」と楳図も独自の演出法について熱く語った。
また、ハイテンションで知られる楳図だけに、現場でもハードなスケジュールにもかかわらず、スタッフ・キャストを和ませ、和気あいあいだったことを振り返る一方、「あまりに楽しすぎて、ちゃんと怖いホラー映画になるか心配でした」と笑いながら語る愛之助。だが、「完成版を観たらビックリするホラーに、というか完全に楳図ワールドの映画になっていました」と楳図ファンとしても太鼓判を押す。「これまでいろいろな監督さんが僕の作品が映像化され、僕が気になったところを修整したというか、偉そうなことは言えませんが、同じ失敗はしたくないと思っていましたから」と監督自身も満足げな様子だ。
そして、本作で楳図を演じるにあたって、彼のトレードマークである赤白のボーダー柄シャツを着た片岡は、「最初は大丈夫かな?と思いながら、いざ着たら意外としっくりした」そうだが、昨年のクリスマス、街中でヴィトンの赤白ボーダーのストールを発見。あまりのうれしさから、すぐに楳図にプレゼントしたとのこと。また、それを手にした楳図も「それだけでも十分うれしいのに、箱には愛之助さんが描かれたグワシがあって、それがうまくてビックリしちゃったんですよ!」と細かいところにもマメな“ラブリン”エピソードを披露した。
「14歳」以来、約20年ぶりのオリジナル作品が映画だったことは意外だが、このコラボが、近年停滞気味になっているJホラーに一石を投じることは間違いないだろう。(取材・文:くれい響)
映画『マザー』は9月27日より全国公開