山下智久が「もっとドキドキさせてやろうか」監督と作り上げた胸キュンセリフのウラ側
山下智久が女子高生と恋に落ちるツンデレ教師を演じた映画『近キョリ恋愛』を手掛けた恋愛映画の名手・熊澤尚人監督が、少女漫画を映画化する苦労と、山下の奮闘ぶりを明かした。
これまでにも『君に届け』『虹の女神 Rainbow Song』といった、みずみずしい青春恋愛映画を多数手掛けてきた熊澤監督。だが、今回の映画化には相当苦労したという。なぜなら、現実ではあり得ない設定や展開が魅力の少女漫画の世界を、観た人に「あるかもしれない」と思わせなければならないからだ。そのうえ、2次元のキャラクターを生身の人間が演じても自然に見せるのは、至難の業だという。
そのため、熊澤監督は山下らにキャラクターのバックボーンを丁寧に説明。リハーサルと話し合いを何度か重ねた上で撮影に臨んだ。その時の山下の困惑ぶりを熊澤監督は「だいたい『もっとドキドキさせてやろうか』なんてセリフ、教師が生徒に言わないでしょう? それは山下くんも『僕、こんなセリフ言ったことないです。こんな態度取ったこともないです。どうやって言うんですか?』となりますよね(笑)」と明かす。
だが、山下の試練はまだ続く。本作では、作品に少しでも現実感を出すために、実際の高校を借りて、現役の先生方にエキストラで参加してもらったそうなのだが、「そんな中で『はい、山下くんセリフ言って』と言っても、『え、ここで本当に言うんですか?』と。そりゃ、言えないですよね(笑)」と熊澤監督。「しかもウソじゃなくリアルに見せなければならない。少しでも言いやすくなるように僕も『じゃあ、こうやってみようか』と頑張るし、山下くんも全身全霊で前向きに取り組んでくれました」と山下の頑張りを褒めたたえた。
そんな熊澤監督は揺れ動く女子の気持ちを描くのが得意な理由を、「僕は女の子の気持ちを考えるのが好きなんですよ。それに女の子を描くのが好きだから、好きだとどんどん得意になりますよね?」と説明。「さすがに女の子の気持ちが全部わかるとは、当然思っていませんけど」と言いつつ、「すごくピュアでシンプルな映画だし、普通の男の子が観てもヒロインの気持ちがわかるように作ってあるので、この映画を観れば、ちょっとは女の子の気持ちがわかるようになると思います」と世の男性にメッセージを送った。(取材・文:小島弥央)
映画『近キョリ恋愛』は全国公開中