岡田准一、役所広司の快挙に「僕らもいつかは……」
4日、映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』の初日舞台あいさつが、TOHOシネマズ日劇で行われ、役所広司、岡田准一(V6)、堀北真希、原田美枝子、小泉堯史監督が登壇した。役所と原田は日本映画への貢献が評価され、日比谷シャンテ内にある「合歓(むね)の広場」に日本人俳優としては故・緒形拳さん以来、22年ぶりに手形を残すことが決定し、壇上で型取りが行われた。
故・三船敏郎さんや森光子さんをはじめ、吉永小百合や高倉健、加山雄三、そしてハリウッドスターのトム・クルーズなどそうそうたるメンバーの手形の中に加わることになった役所と原田は「光栄です」と笑顔。役所の背中を見て俳優として多くのことを学んだという岡田は「すてきなことで、とてもうれしい。僕たちもいつかは手形を残せるような役者になりたい」と堀北と共にたたえていた。
映画『赤ひげ』に感銘を受けて黒澤明監督に弟子入りした小泉監督作品に参加したことについて、役所は「小泉さんの作品で、戸田秋谷という役柄に出会えたことは、役者としてとてもついていた。縁を感じます」と主演として参加した喜びをかみ締めると、映画『乱』や『夢』で黒澤映画に参加している原田も「共に戦いを経験してきた懐かしいスタッフとの現場は楽しかった」と撮影を振り返った。
そんな偉大な映画人たちに囲まれた現場を経験した岡田は「スタッフの方々が、みんな役所さんを見て『ああいうふうに、おまえもなるんだぞ』って声を掛けていただきました。(役所のことを)すてきな背中だなっていつも眺めていました。そんな方の横に並んで初日を迎えられたことはうれしいです」と感無量の表情。堀北も「所作や舞などクリアしなければならないことはたくさんありましたが、いい緊張感で素晴らしい経験をさせていただきました」と語った。
本作は、直木賞作家・葉室麟のベストセラー小説を小泉監督が映画化した人間ドラマ。監督は、観客として来場していた黒澤映画の名スクリプター・野上照代さんから「『小泉、うまくなった。100点満点をやろう』って黒澤さんの声が聞こえてきますよ」と声を掛けられ、「涙が出てきます」と感激していた。(磯部正和)
映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』は全国東宝系にて公開中