中村蒼、大泉洋に成りきるコツは喜怒哀楽を大げさに!
加納朋子の小説「ささら さや」を映画化し、新垣結衣と大泉洋の夫婦役も話題の『トワイライト ささらさや』。本作で、突然の事故死で成仏できずに妻子を見守る夫に乗り移られてしまう駅員・佐野を演じた中村蒼が、かなりはじけた役づくりや自身の心霊体験について語った。
不思議な町「ささら」で生まれたばかりの息子と共に、新生活を始めた天涯孤独な妻のサヤ(新垣結衣)のことが心配で、なかなか成仏できない夫ユウタロウ(大泉洋)。人様の体を借りている間だけ生きている妻と会話ができるため、老若男女さまざまな人がユウタロウに乗り移られ物語が展開するが、そのうちの1人、佐野を演じた中村は、「大泉さんの表情やしぐさを徹底的に観察して、いつもより大げさに喜怒哀楽を表現するようにしました。おかげで大泉さんにも『ありがとう!』と言ってもらえましたし、今まで演じたことのない役に挑戦するのは楽しくて気持ちよかったです」と話す。
すでにこの世にはいないユウタロウがよく見え、普通に会話までしてしまう特殊体質の佐野だが、中村本人にはまったく霊感がないという。「でも、金縛りに遭って目を開けたら、ぼんやりと人の姿が見えたり、女の子の笑い声が聞こえたりということはあります」と不思議な体験を披露。乗り移られてもいいからもう一度話してみたい相手は母方の祖父だそうで、「僕が中学生ぐらいの時にはすでに祖父は認知症だったので、意思疎通ができないまま亡くなってしまいました。生前は口数の少ない典型的な九州男児だったという祖父に、本当はどんなことを考えていたのか聞いてみたいですね」と明かした。
これまでも『ゴースト/ニューヨークの幻』や『いま、会いにゆきます』などで繰り返し描かれてきた、生と死を超えた究極のラブストーリー。「悲しいシーンなのに笑って泣ける映画です」と中村が語ったように、観客は予想外の笑いと涙のツボを刺激されること間違いなし。 改めて夫婦愛や親子愛、そしてさまざまな人との絆について深く考えさせられる作品だ。(取材・文:平野敦子)
映画『トワイライト ささらさや』は11月8日より全国にて公開