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ジブリ作品、ウルトラマンそして黒澤明…日本フリークの奇才が妻とラブラブ来日

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アレックス・デ・ラ・イグレシア監督&カロリーナ・バング夫妻
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督&カロリーナ・バング夫妻

 2本の新作『スガラムルディの魔女』と『刺さった男』を引っ提げ来日した、スペインの名匠アレックス・デ・ラ・イグレシアと、両作に出演した女優で妻のカロリーナ・バングが夫婦で映画を製作することの醍醐味(だいごみ)や、日本の文化の魅力について語った。

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 『刺さった男』は、メディアを揶揄(やゆ)したブラックユーモアのセンスが光る辛辣(しんらつ)なサスペンス。監督自身のメディアについての見解を聞くと「今は情報を操る者が権力を握る時代。権力者は社会で自分の権力を誇示するためにマスコミを利用している。これは我慢ならない状況まできていると思う」と吐露。監督いわく、本作で描かれているのは「この世界で生き残る唯一の手段として、自分の魂までをマスコミに売るという現実」だ。

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 3本の監督作でバングを起用したイグレシア監督だが、彼女の女優としての魅力については「3作とも彼女以上に役にふさわしい(と思える)人はいなかった。コミュニケーションもスムーズに取れるし、お互いに楽しみながら仕事ができる」と絶賛。バングも「何度も一緒に仕事をしているからお互い説明する必要がなくて、時間を節約できるの。目配せ一つで彼が何を求めているのかわかるわ」と絆の深さをアピール。

 ジブリ作品が好きだと公言するイグレシア監督は「日本の映画やポップカルチャーが大好き」だという。「日本では漫画が社会生活に根付いているよね。こんなにアニメ映画が上映されている国もほかにない。とても親近感を感じるよ。ウルトラマンとか日本の特撮やアニメが子供の頃から好きなんだ。あと黒澤明とか小津安二郎の作品もね」とニッコリ。

 以前イグレシア監督が『エイリアン3』の監督のオファーを受け、断ったといううわさが流れたことについて尋ねると「半分本当だよ。偶然、自分の監督作の撮影地の近くに『エイリアン3』の製作者が来ていてね。“監督をやらないか?”と聞かれたけど、周りに他の候補者もたくさんいたし“他の映画を撮影中だから答えられない”って言ったんだ」と告白。「もし“やる!”って言ったら他の候補者に右腕を切り落とされていたかもね!」と笑いながら事の真偽を明かした。(取材・文:小林真里)

映画『スガラムルディの魔女』『刺さった男』は11月22日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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