役所広司、50年後も俳優活動を!第1回三船敏郎賞受賞に喜びの笑顔!
第1回京都国際映画祭が19日、京都のよしもと祇園花月でクロージングセレモニーを迎え、同日に行われた三船敏郎賞授賞式に出席した俳優の役所広司が喜びのスピーチをした。
映画『羅生門』『七人の侍』などの黒澤明監督作品で知られる故・三船敏郎さんは、野性的な魅力と、狂気をはらんだ演技、そしてスクリーンを圧倒する壮絶なアクションで「世界の三船」と呼ばれ世界中の映画ファンから愛されてきた名優。同映画祭は、「三船の活躍してきた軌跡がまさに『再び日本映画が世界に打って出るための発信拠点を目指す』という本映画祭の趣旨に合致した」として同賞を創設した。
審査員を務めたのは、黒澤と共に多くの映画を作ってきた名スクリプターで文筆家の野上照代、映画監督の山田洋次、映画『羅生門』などの脚本を手掛けた橋本忍、三船プロダクションの代表取締役である三船史郎、映画評論家の佐藤忠男、映画プロデューサーの奥山和由。三船さんと親交の深い人物が約半年の期間をかけて、現代の三船として選出したのが映画『清須会議』『蜩ノ記(ひぐらしのき)』など多くの作品で活躍している役所だ。
野上から、「わたしは役所さんがとても好きなんです。彼の演技にはユーモアがあり、それは知性。そんなところが三船さんに通じるものがある」と賛辞を贈られた役所は、「ありがとうございます」とニッコリ。照れくさそうな笑顔を浮かべながら「尊敬していた三船さんの賞をいただけて本当にうれしいです。この賞に恥じない俳優人生を送っていきたいと思います」と述べた。
晩年になってもブルーリボン賞を受賞した『男はつらいよ 知床慕情』などで、若い頃とはまた違った深みのある演技を見せていた三船。現在58歳の役所もまた、今後の俳優生活に向け「役者は年を重ねるにつれて、役がなくなっていくものですが、自分がおじいさんになったときに『ああ役所広司というじいさんがいたな。あの人にこの役をやってもらおう』と言われるようになりたい」と話した。
19日にクロージングを迎えた第1回京都国際映画祭は、4日間の開催で約4万人超を動員。多くの映画人に愛された京都の地で行われた同映画祭では、今後公開される最新作はもちろんのこと、日本映画史に残る名作も数多く上映され、スクリーンで再び輝きを得た。クロージングセレモニーの閉会宣言では、中島貞夫監督が開会式でも掛けた「よーい、スタート!」という声と共に、来年の開催に向けて新たな一歩を踏み出した。(編集部・森田真帆)