6歳から12年間同じ役柄を演じ続けた元子役が語る!完成作を観たときは「とても奇妙な感じ」
映画『6才のボクが、大人になるまで。』で、6歳から12年にわたり主人公のメイソンを演じ続けたエラー・コルトレーン(20)がインタビューに応じ、実人生と並行して撮影された作品への思いを語った。
本作は、『ビフォア』シリーズなどのリチャード・リンクレイター監督がメガホンを取り、6歳の少年とその家族の軌跡を、同じ主要キャストで12年間撮り続けた人間ドラマ。主人公メイソンの姉をリンクレイター監督のまな娘ローレライ、母をパトリシア・アークエット、そして彼女と離婚した父をイーサン・ホークが熱演している。
エラーは実験的な手法を取った本作の撮影について、「毎年夏にキャスト全員が集まって、ワークショップのようなものを開くんだ。そこで監督が示すアウトラインに沿って、それぞれが自身の人生経験を振り返りながら意見を出し合い、みんなで気持ちをシェアする。アドリブもどんどん取り入れて、脚本はその年ごとに作り上げていく」と説明。
完成した作品の中で成長していく自身の姿を見ることについては、「最初は『映像の中に自分がいるのに自分じゃない』と思い、何だかとても奇妙な感じがした」と吐露。「メイソンとは育った環境も親との関係性も全く違うし、僕は同級生と一緒にバカ騒ぎするタイプでもない」といい、最初は戸惑ったものの、何度か観ていくうちに距離を置くことができるようになったという。
「メイソンというキャラクターは、僕だけじゃなく、イーサンだったり、監督だったり、この映画に関わる全ての人たちの人生がミックスされてできたもの」とエラーは語る。「でもこれだけは言える。僕とメイソンはエモーショナルな部分でつながっている。美的センスや観察眼もそうだけど、人生の中に何か意味深いものを探し求めている部分は共通しているね」と分析していた。
もしも監督から「また君と一緒に12年間、映画を撮りたい」と言われたら? という質問には「今は作品が完成したばかりで考えられないけれど、答えはもちろん『イエス』さ!」と声を弾ませたエラー。「この作品には、痛みも感じるし、さまざまな感情も喚起させられる。でも、映像の中に(実際の)時間の経過、人生の変化が投影されているからこそ、過去を乗り越え、次の目標を達成しようという前向きな姿勢がリアルに伝わるんじゃないかな」と締めくくった。(取材:坂田正樹)
映画『6才のボクが、大人になるまで。』は11月14日よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開