ウォン・カーウァイの撮影監督、浅野忠信は「世界で一番素晴らしい俳優」
第27回東京国際映画祭
24日、現在開催中の第27回東京国際映画祭で、日本の浅野忠信が主演したフィリピン・ドイツ合作映画『壊れた心』(コンペティション部門出品作品)が上映され、メガホンを取ったケヴィン監督と撮影監督を務めたクリストファー・ドイルが舞台あいさつに登壇。観客からの質問に答える形で浅野の起用理由を明かした。
フィリピンの貧民街を舞台に、娼婦を助け出した冷徹な殺し屋が危険な相手からの報復を恐れて娼婦と共に逃亡生活を送る姿を描いた本作。壇上にはアンドレ・プエルトラノ、ヴィム・ナデラ、マルチェロ・ブッシら浅野の共演者と、プロデューサーのステファン・ホールも出席した。
ケヴィン監督は「わたし自身が浅野さんのファンだったんです」と浅野の起用理由を切り出すと、「一番最初に観たのは『殺し屋1』だったんですけど、その後も彼が出演するいろんな映画をたくさん観ました」とコメント。本作への出演はケヴィン監督が自身の監督作『モンドマニラ(原題) / Mondomanila』を浅野に観てもらい、自らオファーしたという。ウォン・カーウァイ監督作品の撮影監督として有名なドイルも浅野の起用理由を聞いた観客に「我々が世界で一番素晴らしい俳優と働きたくないとでも?」と笑顔で問い掛けるなど、浅野の魅力を高く評価している様子だった。
トーク中、ドイルは終始上機嫌。用意されたイスが一席足りないのを発見するや、「イスが足りない。責任者は誰だ」と発言したり、質疑応答で男性が手を挙げると「すみません、女の人の質問しか受け付けたくありません」とゴネてみたり、若い観客が作品について真面目な質問を投げ掛けると「あなた、そんなに若いのに知的なことばっかり言ってちゃダメですよ」と発言するなど、ちゃめっ気たっぷりなトークで会場を沸かせていた。(取材・文:名鹿祥史)
第27回東京国際映画祭は10月31日まで六本木ヒルズほかにて開催