今なお現役ブルー・コメッツが神ライブ!「ブルー・シャトウ」がイギリス映画の挿入歌に
ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーの小説を『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグ主演で映画化した話題作『嗤う分身』のミニライブ付き試写会が26日、都内のライブスペースで行われ、空前のグループサウンズ(以下、GS)ブームを巻き起こした伝説的バンド、ジャッキー吉川とブルー・コメッツが、本作の挿入歌に正式採用された名曲「ブルー・シャトウ」「雨の赤坂」などを披露。いまなお現役バリバリの演奏に、観客はしばし熱狂した。
本作は、ドストエフスキーの隠れた名作「分身(二重人格)」を、長編監督デビュー作『サブマリン』が高く評価された俊英リチャード・アイオアディによって映画化された奇想天外な不条理スリラー。ジェシー演じる内気でさえない男の前に、見た目は全く同じながら性格は正反対のもう一人の自分が出現したことで、全てを狂わされていく男の姿を描く。
本編の上映後、久々に勢ぞろいしたメンバーは、衰え知らずの演奏と繊細かつ力強い歌声でファンを魅了。トークコーナーでは、それぞれが映画の感想を語る一幕もあり、ギター&ボーカルの三原綱木は「そういえば、『雨の赤坂』流れてた? 映像に集中し過ぎて、セリフもあるから聞こえなかった」と苦笑い。
ベース&ボーカルの高橋健二が、「観ているうちに(分身か本物か)どっちがどっちだかわかんなくなった」と頭をひねり、会場の笑いを取ると、リーダーでドラムの吉川がすかさずフォロー。「僕は学生時代を思い出したね。本が好きでドストエフスキーも読んでたから」と知性派をアピールすると、「すごく文学的な映画、考えさせられたね。もう一度観みたい!」
と絶賛した。
また、本作で日本の曲が使われた経緯について、キーボードの小田啓義は、「監督がYouTubeで『エド・サリヴァン・ショー』(米バラエティー番組)にわれわれが出演しているのを見て、『ブルー・シャトウ』を気に入ってくれたらしいね」と裏話を披露。ちなみに、ブルー・コメッツの「ブルー・シャトウ」「雨の赤坂」「草原の輝き」「さよならのあとで」、坂本九の「上を向いて歩こう」の5曲が挿入歌として採用された。
最後は、三原が「映画公開が11月8日だから、観てねって知り合いに電話してね。いい映画だったよって言うんだよ!」と、ユーモアを交えながら締めくくった。(取材:坂田正樹)
映画『嗤う分身』は11月8日よりシネマライズほか全国公開