宮沢りえが最優秀女優賞!日本人11年ぶり4人目の快挙
第27回東京国際映画祭
31日、第27回東京国際映画祭のクロージングセレモニーがTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、最高賞を競うコンペティション部門に7年ぶりの映画主演作『紙の月』がノミネートされていた女優の宮沢りえが、最優秀女優賞を受賞した。少し緊張した面持ちで「震えています」と言葉に詰まった宮沢は、満面の笑みで「おみくじで大吉を引いたときにやった! と思う気持ちの中でも自分を引き締めなきゃと思う気持ちに似ています」と喜びをかみしめた。同賞を日本人女優が受賞するのは、第16回(2003年)『ヴァイブレータ』の寺島しのぶ以来、11年ぶり4人目。
7年ぶりの主演に「緊張と不安もありましたが、(吉田大八)監督の粘り強く愛のこもった演出によって役を乗り越えられたと思います」と自信をのぞかせた宮沢。「(賞を)半分にできるなら半分は監督に最優秀演出賞としてあげたい。本当にありがとございました」と吉田監督に感謝していた。
『紙の月』は、テレビドラマ化もされた角田光代の同名小説を映画化したヒューマン・サスペンス。銀行で働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢)が、大学生(池松壮亮)との不倫を続けるために引き起こす巨額横領事件のてん末を描いている。年下の恋人との快楽におぼれ転落していくヒロインの心の闇を体現した宮沢が栄冠を手にした。
また同作は、コンペティション部門15作品の中で、最も観客から支持された映画に与えられる観客賞も受賞しており、見事2冠を達成した。
今年で27回を数える東京国際映画祭は、パリに本部を置く国際機関「国際映画製作者連盟」に日本で唯一公認されているアジア最大級の国際映画祭。最優秀女優賞には賞金5,000米ドル(約50万円、1ドル100円計算)が贈られる。
宮沢が国際映画祭で最優秀女優賞に輝いたのは、香港映画『華の愛 遊園驚夢』が出品された第23回モスクワ国際映画祭(2001年)以来、13年ぶり2度目。(編集部・小松芙未)
映画『紙の月』は11月15日より全国公開