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吉田大八監督、宮沢りえとのハグエピソードに照れ笑い

第27回東京国際映画祭

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受賞後、宮沢と談笑する吉田大八監督-クロージングセレモニーにて
受賞後、宮沢と談笑する吉田大八監督-クロージングセレモニーにて

 31日、第27回東京国際映画祭の審査委員&受賞者記者会見が東京・六本木ヒルズで行われ、コンペティション国際審査委員長を務めたジェームズ・ガンをはじめとした審査員一同と、映画『紙の月』の吉田大八監督ら各賞受賞者が出席した。

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 世界92の国と地域から1,373本以上の応募があり、その中から15作品がノミネートされた今年のコンペティション部門。『紙の月』は最高賞の東京グランプリは逃したものの、観客賞を受賞。さらに、主演の宮沢りえは最優秀女優賞を獲得する快挙をみせた。

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 スケジュールの都合で会見に出席できなかった宮沢に代わり吉田監督は、「自分が賞をもらうことに本当に驚いていて、いつもスピーチが上手なんですが、今日は緊張しているなと思った。だから、逆に彼女にとって大きな喜びだったのは間違いない」と言葉に詰まりながら受賞の喜びを述べた宮沢について、率直な印象を語った。

 また、「トロフィーを半分にして最優秀演出賞としてあげたい」と宮沢から賛辞を贈られたことについて、「監督賞をもらえたら同じことを言おうと思っていたけど機会がなくてちょっと残念」と肩を落とす場面も。さらに受賞後、宮沢とハグしたときの気持ちを聞かれると「ありがとうとおめでとうが一緒になったようなことを言ったんだと思います」と照れくさそうに答えた。

 今年、東京グランプリに選ばれたのは、少女の青年に対する絶望的な愛の物語を軸に、薬物に溺れて生きていく若者たちを徹底したリアリズムで描いた『神様なんかくそくらえ』。主演女優アリエル・ホームズの実体験をもとに描かれており、アリエルは「ちょっと前までニューヨークのホームレスだったわたしがここに立っていることがクレイジー」と語りながらも、「この映画を観て世の中にはいろんな人生があることをわかってもらいたいし、どんな命でも重みがあることを感じてほしい」と本作に込めた熱いメッセージを語っていた。

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 当初、「自分が一番好きな作品を選びます」と断言していたジェームズだが、「意見の違いはあったが、エゴを通すことはなかった」そうで、「一番自分たちにインスピレーションを与えてくれた作品を選んだ」とコメント。また審査委員に名を連ねた品川ヒロシは、英語でコミュニケーションがとれなかったことが心残りのようで、「一応英会話教室に通っているんですけど、まだ買い物とご飯の注文しかできない。通訳なしで話せたのは『おいしいおすし屋さんはどこ?』と『この食べ物なに?』だけ。もうちょっと英会話のスキルを上げたい」と宣言し、会場の笑いをさらっていた。(取材・文:鶴見菜美子)

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