宮崎駿監督にアカデミー名誉賞授与 「やれることをやっていく」笑顔で会見
現地時間8日、米アカデミー賞を選考する映画芸術科学アカデミーから、宮崎駿(73)監督にアカデミー名誉賞が贈られた。米ロサンゼルスのハリウッドで行われた式典に出席した宮崎監督は、会見で、賞への姿勢と今後の活動について語った。
アカデミー名誉賞は、類まれなる功績を残した世界の映画人に贈られる賞。宮崎監督の受賞は、日本人としては、1990年に受賞した黒澤明監督以来24年ぶり2人目の快挙となる。会見の様子はニコニコ生放送でも紹介され、受賞について宮崎監督は、友人でありピクサーCEOジョン・ラセターの名前を挙げ「ラセターさんの陰謀ではないかと、相当運動したに違いないとか、いろいろと思っているんです」と笑顔でコメント。
また「賞ってもらえないと頭にきます。けどもらって幸せになるかというとならないんですよ」と切り出すと、「それで自分の仕事が突然良くなるってことはない。もうとっくに終わった仕事ですから、その結果を一番良く知っているのは自分。あそこは失敗したとかそういうものをいっぱい抱えて映画って終わるんですよ。映画は自分で終らせないといけない。だから、もらえればうれしいだろうけども、賞によって決着はつかないんです。むしろそれなりに翻弄(ほんろう)されますから、ドキドキするだけ不愉快ですよね」と持論を展開した。
今後のアニメとの関わりについては、長編作品の製作は改めて否定しつつ、「大きなものは無理ですけど、小さいものでチャンスがあるときはやっていこうと思っています」とコメント。「三鷹の森ジブリ美術館」で公開する短編は「作れる限り作っていく」と明かした。
またこの日は、アイルランドの女優モーリン・オハラ(94)も名誉賞を受賞。宮崎監督はモーリンに会えたことにいたく感動した様子で「生きている間に会えるなんて夢にも思わなかったです。生きていると、とんでもないことがおこる」と大興奮。オハラが94歳ということで、自身を「本当に小僧」に感じたといい、「なので、あまりリタイアとかそういうことは声に出さずに、やれることはやっていこうと思いました」と笑みを浮かべた。(編集部・入倉功一)