フィッツジェラルドの未完の大作「ラスト・タイクーン」がドラマ化へ
20世紀を代表する作家の一人、F・スコット・フィッツジェラルドの作品は、「華麗なるギャツビー」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」などが映画化されてきたが、このたび彼の未完の小説「ラスト・タイクーン」のドラマ化をアマゾン・スタジオズが進めようとしていることがわかった。Deadlineなどが報じた。
本作は、もともとソニー・ピクチャーTVのもとアメリカのケーブル・チャンネルHBOで昨年の秋に企画されていたが、現在はHBOを離れ他のスタジオとプロデューサーが製作を交渉中。今回その候補としてアマゾン・スタジオズに白羽の矢が立ち、交渉に入ったという。『ハンガー・ゲーム』『キャプテン・フィリップス』のビリー・レイがフィッツジェラルドの原作を脚色することになっている。
小説「ラスト・タイクーン」は、実在したハリウッド初期を代表するプロデューサー、アーヴィング・タルバーグをモデルにした主人公、モンロー・スターの栄光と挫折を、亡き妻の面影を持つ未亡人との情事などを通して描いた作品。フィッツジェラルドが執筆途中に心臓発作で急逝してまい、現在では未完の傑作として評価されている。
脚本家のレイは、テレビシリーズ「サンフランシスコの空の下」のクリストファー・キーサーと共に製作総指揮も務めるようだ。これまでに同小説は、1976年に巨匠エリア・カザンのもと、ロバート・デ・ニーロ主演で一度映画化されている。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)