イギリス警察“映画泥棒”を逮捕 被害額は数億円以上
現地時間25日、イギリス・ロンドン市警察が、映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』を公開前にリークした男性2人を逮捕したことがわかった。
ロンドン市警察の発表によると、同警察の知的財産犯罪チームはウィラルに住む36歳の男性と、ウェストヨークシャーに住む33歳の男性を逮捕。二人は現在取り調べを受けているという。
同作のアメリカ公開前である7月25日に、インターネット上に高画質な動画が違法アップロードされていることが発覚。違法動画は、1日で18万回以上、4日で100万回以上違法ダウンロードされていることが報じられていた。アメリカ公開時（8月15日）のオープニング週末興行収入は、1,587万9,645ドル（約17億4,676万950円）。前作『エクスペンダブルズ2』のオープニング興収2,859万1,370ドル（約31億4,505万700円）から1,271万1,725ドル（約13億9,828万9,750円）で、約44％ダウンする結果となっていた。違法動画が影響した可能性は高い。（数字はBox Office Mojo調べ、1ドル110円計算）
二人が映像を盗んだのは、インターネット上にファイルを共有できるクラウドベースのシステムからではないかと、警察は推測しているとのこと。また二人のリークによる被害は甚大で、『エクスペンダブルズ3』の製作会社であるライオンズゲートとミレニアム・フィルムズの被害額は、イギリス国内だけで数百万ポンド（日本円にして数億円）にも上るという。
知的財産犯罪チームのリーダーであるダニー・メドリーコット警部は、今回の事件のように、知的財産権を侵すような犯罪はクリエイティブ産業に多大な影響を与えることを主張。「市民は海賊行為に実害はないという認識を改める必要があります。違法な音楽や映画、テレビコンテンツ、本をダウンロードすることは、あなたのコンピューターにウイルスや悪質なソフトウェアを入れてしまう危険性のほか、海賊行為により国内でのクリエイティブ産業にいそしむ数千の職種の人々の生活を脅かすことにもつながるのです」と呼び掛けている。（編集部・井本早紀）