AV業界が舞台のドラマで賞取り消し?水田監督が不安に…
6日、AV業界を舞台にしたWOWOWの連続ドラマW「モザイクジャパン」のDVD発売記念イベントがタワーレコード渋谷店にて行われ、水田伸生監督とヒロインを務めたハマカワフミエ、黒木桃子、立石純子、神崎沙織が出席した。映画『謝罪の王様』などで知られる水田監督は、脚本家の坂元裕二から内容を聞かされずに本作を引き受けたと告白すると「内容を聞いて驚いた。僕は文化庁から賞(芸術選奨文部科学大臣賞)をもらっているのに、取り消されちゃうんじゃないかと思った」と冗談交じりに発言し会場を盛り上げた。
本作は、AV業界に乗っ取られた田舎の街に戻ってきた主人公・常末理市(永山絢斗)を通して、日本という国の裏にある歪みや社会問題に切り込んだドラマ。水田監督は「放送後、83歳の母親に『顔も見たくない』って言われちゃいましたよ」とおどけつつも「本当のことをうやむやにしている今の日本の社会を、坂元さんがエンターテインメントとして描いてくれた。みんなと一緒に真剣に撮った作品です」と胸を張った。
ヒロインのAV女優役として、過激な濡れ場などにも挑戦したハマカワは「オーディションに受かったときは、全ての人生の運を使い果たすとは、こういうことだと思った」と当時を振り返り、「わたしは小劇場の舞台で、ブラやパンツ一丁なんてシーンも演じていたので(脱ぐことには)抵抗はなかった」とキッパリ。さらに「表面上で伝えている部分の皮をめくった裏側にあるシニカルなメッセージを見てほしい。『これっていったい、何の話だったんだろう』って思ってもらえる深い作品です」と作品に込めた思いを語った。
またハマカワは、イベント会場となったタワーレコード渋谷店の前で、道行く人々に本作オリジナルのコンドームを配布。「100個以上は配れたと思います」と笑顔を見せると、水田監督らと共に、本作が一人でも多くの人の目に触れることを切に願っていた。(磯部正和)
ドラマ「モザイクジャパン」DVDは発売中