妻夫木聡、初共演の亀梨和也を「とても魅力的だった」と絶賛!
戦前のカナダに実在した日系カナダ移民の野球チーム「バンクーバー朝日」が、差別や貧困に苦しみながらも、ひたむきに白球を追い続ける姿を描いた『バンクーバーの朝日』。本作でチームのリーダー・レジー笠原を演じた妻夫木聡が、亀梨和也との初共演について語った。
『舟を編む』などの石井裕也監督の最新作である本作。野球経験がほとんどなかったという妻夫木は、リアルを追求する石井監督の期待に応え、約3か月のトレーニングを敢行したという。「小学生の頃に1年くらいやっていただけで、ほとんど素人でした。いちばんうまくなきゃいけない役なのに(笑)」と当初は不安もあったものの、途中ケガで練習を中断した際に役柄と同様、純粋に野球を好きになっている自分に気付いて安心したそうだ。
朝日には妻夫木のほか、中心メンバーとして勝地涼、池松壮亮、上地雄輔、そして亀梨和也といった豪華な顔ぶれがそろったが、妻夫木の声掛けで、多忙なスケジュールを縫って1泊2日の合宿を実施。「現場でもお互いを役名で呼んで、なるべく一緒に食事をするようにしていました。自然とチームらしい空気ができていましたね」と明かすように、芝居を超えた結束力がこの合宿で生まれ、後の撮影に生かされたようだ。
また本作で、うっ屈した思いを抱え、一人浮いた役どころであるピッチャーのロイ永西を演じた亀梨について、「見たことのない顔を間近で見ることができたし、とても魅力的でした」と絶賛。「カメ(亀梨)ってちょっと一匹オオカミみたいな、孤独感が漂っている気がするんです。背負っているものがあるのかな。そういった彼自身の葛藤みたいなものが、役柄と重なる部分もあって。監督もそういうところを見ていたんだと思いますね」と語り、難役に挑んだ亀梨の演技に太鼓判を押している。
バンクーバー朝日は半世紀以上を経た2003年にカナダ野球の殿堂入りを果たし、その功績が認められたが、本作もバンクーバー国際映画祭で観客賞を受賞。激動の時代を精いっぱい駆け抜けた青年たちの真実の物語は、今を生きるわたしたちが学ぶべき示唆に富んでおり、深い共感を誘うだろう。(取材・文:本間綾香)
映画『バンクーバーの朝日』は12月20日より全国東宝系にて公開