黒沢清監督がフランスを舞台に映画『預言者』のタハール・ラヒムとタッグ!
映画『リアル~完全なる首長竜の日~』『トウキョウソナタ』などを手掛けてきた黒沢清監督が、映画『預言者』のタハール・ラヒムとタッグを組むことがVarietyや複数のメディアによって明らかになった。
これは、現在開催されているマラケシュ国際映画祭に参加している黒沢監督がVarietyに答えたもので、フランスのパリを舞台にしたタイトル未定の新作を製作することを決め、さらに主演2人のうちの1人に、映画『ある過去の行方』のタハール・ラヒムを据え、フランスの製作会社とタッグを組んで来年の2月から撮影に入ることも明かしている。
そのストーリーについては「映画は今日のフランスを象徴的に表現したもので、ホラーの要素もあるが、現実的な映画ではない」と語っているが、その詳細はまだ明確にされていない。
今回、フランスでの撮影を決断した理由については「日本でオリジナルのアイデアで映画を製作することは、ほぼ不可能になってきていて、かなりの低予算の映画か、漫画を原作にしたものか、フランチャイズのあるシリーズものしか、製作できなくなってきている」と答え、さらに彼はフランスの監督クレール・ドニを例に挙げ「フランスは今でもオリジナルのアイデアにはオープンで、適正で寛大な製作資金のシステムを備えている」とも語っている。
また、現在の日本は「若手の映画監督が台頭し、低予算のなか新たな手法で製作し始めているが、それらの映画は監督の演出が主体の作品で、日本の映画産業全体を動かすものではない」と嘆いているようだ。
もっとも、黒沢監督はスタジオからの製作のオファーがなかったわけではないが、あくまで自身のオリジナル作品を製作することにこだわった判断のようだ。彼がフランスでどのような作品を手掛けるか楽しみだ。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)