『ホビット』リチャード・アーミティッジ、初めはレゴラス役を希望していた
シリーズ完結編『ホビット 決戦のゆくえ』について、ドワーフの長トーリン役のリチャード・アーミティッジとエルフ王スランドゥイル役のリー・ペイスが語った。
本作は、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン監督が手掛けたファンタジーアドベンチャー。取り戻した財宝に執着するトーリンがエルフ&人間との対立を深め、さらには復活した冥王サウロンによって放たれたオークの大軍勢が近付く中、仲間の命を守るために立ち上がる主人公ビルボ(マーティン・フリーマン)の姿が描かれる。
リーは「子供のころに原作『ホビットの冒険』を読んでいたが、オーディションのために再読し、出演が決定してからは映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズも全作鑑賞した。まず、ピーター・ジャクソンが作り上げた独特の世界を把握したんだ」と振り返ると、リチャードも「実は『ロード・オブ・ザ・リング』のオーディションを受けたくて、エージェントにレゴラス役(オーランド・ブルーム)に挑戦したいと言ったことがあった。その役はオーランドが得て僕は失望したが、今シリーズで役を与えられたのは夢のようだった」と明かした。
今作でトーリンが強欲になることについてリチャードは「これはシリーズの第1弾『ホビット 思いがけない冒険』から脚本に組み込まれていた。彼は祖父スロールがエレボールの繁栄に慢心し、莫大な財宝に溺れていくのを目撃していた。彼の狂気を想像させる兆候はあった」と説明。リーは「本来ならばキャラクターに一貫性を求めるが、今作ではあえて観客が驚くような予想できぬ一貫性のないキャラとなっており、その中で僕の役であるスランドゥイルも繊細な一面を見せている」とコメントした。
ジャクソン監督の演出についてリチャードは「彼は映画技術と同様に俳優にも興味を示し、新たなビジュアルエフェクトを事前に想像するよりも、映画内での俳優の動きよってビジュアルエフェクトを変えていく。よくグリーンスクリーンで演じるのは難しくないかと聞かれるが、僕の場合はカメラの前で独りで演じることが多く、ピーターは自ら僕の役柄を演じながら演出してくれた」と感心した様子で語っていた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)
映画『ホビット 決戦のゆくえ』は公開中