伊勢谷友介、故・高倉健さんへの思い「未来の役者像を体現し続けてくれた」
映画『SR サイタマノラッパー』で知られる入江悠監督が手掛けたスパイアクション大作『ジョーカー・ゲーム』で、スパイ組織「D機関」の司令塔・結城を演じた伊勢谷友介が、作品について、そして役者としての今後を語った。
伊勢谷がスパイ組織の司令塔に!映画『ジョーカー・ゲーム』場面写真
本作は第2次世界大戦前夜を舞台に、ある機密文書をめぐって各国諜報(ちょうほう)員を相手にし烈な争奪戦に挑む日本人スパイ・嘉藤(亀梨和也)の活躍を描いたスパイアクション。入江監督にとって初のメジャー大作となるが、伊勢谷は「メジャー作品という重責を感じさせないくらい、監督が思う『エンターテインメントとしてどうあるべきか』というのが、しっかりと形になっていたと思います」と評価する。
伊勢谷が演じる結城の登場シーンは一部ではあるが、その存在感はやはり突出しているといっていい。撮影はたったの1週間だったそうだが「足が悪いという設定は常に意識しなければならないので、撮影前はつえを預からせてもらって、普段から使うようにしていました」と徹底した役づくりはさすがだ。
今年は映画『るろうに剣心』シリーズでアクションに果敢に挑戦。ファンとしては伊勢谷のスパイアクションも観たいところだが、本人いわく「アクションは準備が大変なので極力避けたいかな(笑)」とのこと。また「今回、この映画の『海外編』ではなく『日本編』しか撮影がないと聞いて、僕らの世代ってそうなってきたんだなと思いましたね」と役者としての変化も感じてきたという。
今後40代、50代を迎える上でどんな役者になりたいか改めて問うと「僕の未来を見たときに『そうあれたらいいな』というのを高倉健さんは体現し続けてくださいました」と語る。「高倉さんの芝居にはウソがなかったと思うんです。『あざとさ』というものが見えないのが高倉さんの演技。それってなかなかできないことだと思うんです。役をこなしていくのではなく、一本一本、愚直なまでに向き合っていく。役者として大切なことはスキルより、高倉健さんが最後まで抱えていらっしゃった役に対しての向き合い方、そしてその結果だと。本当に大事なものを見させていただいたなと思っています」。2015年、ますます脂が乗った伊勢谷友介の演技に期待したい。(取材・文:森田真帆/山本優実)
映画『ジョーカー・ゲーム』は2015年1月31日より全国公開