工藤公康氏の息子・阿須加、父のアドバイスに困惑
元プロ野球選手・工藤公康氏の息子で俳優の工藤阿須加が7日、都内で行われた映画『アゲイン 28年目の甲子園』完成報告会見と大人の親子試写会に出席した。甲子園を目指す高校球児を演じた阿須加は、公康氏から「長嶋(茂雄)さんをイメージすればいいんじゃないかな」とアドバイスを受けたことを明かした。この日は、中井貴一、波瑠、柳葉敏郎、大森寿美男監督も出席した。
役づくりについて言及した阿須加は、公康氏に「誰をイメージしたらいいかな?」と聞いたところ、「長嶋さんをイメージすればいいんじゃないかな」と言われたことを告白。しかし、誰もが知る国民的スターとはいえ、世代がまったく違う上に、元々野球に興味がなかったという阿須加は、「長嶋さんの現役の姿を見たことがないので、どうイメージしたらいいかわからなかった」と父親のアドバイスに困惑したと話し、笑いを誘った。
また、ベテラン俳優の域に達した中井がデビュー当時を振り返り、「(菅原)文太さんや高倉(健)先輩がものすごい大御所で重鎮だと思っていた。自分がその立場になって、全然ダメだなって思う」と成長していない自分に肩を落とす場面も。
53歳の中井が、23歳の波瑠に「波瑠ちゃんから見たら、すごい先輩の俳優っていう意識があるでしょ?」と語りかけるも、「デビューしたときから年はくっても中身は変わらない」と話す。それに対し、波瑠は「とてつもなく先輩で、わたしから話しかけるなんて……という思いがありましたし、横にいるだけで教えてもらっている気分になるような方」と印象を語った。中井は自身の思いとは裏腹に、自分も偉大な先輩の足跡をたどっていることを知らされ、照れた笑みを浮かべた。
本作は、全国の元高校球児が世代を超えてチームを作り、再び甲子園を目指す実在の大会「マスターズ甲子園」を舞台に、忘れようとした夢に再び挑戦する大人たちの姿を描いた感動作。中井は、「娯楽映画です。肩の荷物を下ろして、気軽に映画館に来て、清々しい涙を流して、さぁ帰ろうという映画になっていると思います」と本作をアピールした。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『アゲイン 28年目の甲子園』は1月17日より全国公開