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ニューヨーク史上最も犯罪の多かった1981年が舞台!監督が明かす話題作『ア・モスト・ヴァイオレント・イヤー』とは?

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J・C・チャンダー監督
J・C・チャンダー監督 - Vera Anderson / WireImage / Getty Images

 映画『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』のJ・C・チャンダー監督が、新作『ア・モスト・ヴァイオレント・イヤー(原題) / A Most Violent Year』について語った。

【動画】J・C・チャンダー監督作『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』

 本作は、ニューヨーク史上最も犯罪の多かった1981年を舞台に、石油運搬会社を経営する移民者アベル(オスカー・アイザック)はビジネス拡大を計画するが、石油運搬用トラックが強盗に襲われ、暴力、賄賂、汚職などが市内にはびこる中、妻アンナ(ジェシカ・チャステイン)と共に人生を選択していくというドラマ。

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 まずジェシカには、異例の出演オファーをしたらしい。「ジェシカとは3年前のニューヨーク映画批評家協会賞で会った。その年彼女は話題作ばかりに出演し、素晴らしい一年を過ごしていた。それから2年後にカンヌ国際映画祭で彼女は僕の作品を鑑賞してくれて、その後行われたイベントで、彼女から『次はどの作品を製作するの?』と聞かれた。彼女に次回作の説明をするうちに、いつの間にか彼女に引き込まれて出演をオファーしていた。もっとも、その時は脚本さえ持参せず、よく彼女はその場で出演を決めてくれた(笑)」と語った。

 一方、オスカーのキャスティングは困難だったようだ。「当初、脚本が未完成の段階でハビエル・バルデムに出演オファーしたものの、後に完成した脚本が彼に事前に渡した概要とは異なってしまい、結局僕らは友好的に別の道を選択したんだ。そんな時、ジェシカがジュリアードで友人だったオスカー・アイザックを紹介してくれた。ただその時は、彼の映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』の公開前で、彼より知名度のある俳優もこの役に興味を示していて迷ったが、彼とジェシカの長年の友人関係を優先した」と明かした。

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 アベルとアンナの家族関係を通して理解してほしいこととは「本作のアベルとアンナは、まさにこの時代(80年代)を生きていて、それは観客も感じ取れるはずだ。そんな中で理解してほしいことは、おそらく僕が死ぬ前に自問することと同じだ。どのように愛する人や周りの人と接したか? どのように自分自身と向き合ったか? どのようなことを国のためにしたか? 自分が社会に対してまともだったか? ということで、これらをアベルは自分に問いただしてアンナと共に人生の選択をしていく」と答えた。
 
 映画は、観客が予想する展開を覆す瞬間の連続で、良い意味でタイトルにハメられた感覚を鑑賞後に味わった。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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