永瀬正敏、樹木希林と14年ぶり共演 河瀬直美監督作に初出演
俳優の永瀬正敏が河瀬直美監督・脚本の新作『あん』で、暗い過去を持った、どら焼き屋の雇われ店長役を務めていることがわかった。主演の樹木希林との共演は、映画『ピストルオペラ』(2001)以来14年ぶり。永瀬が河瀬監督の作品に出演するのは初めて。河瀬監督の熱烈なオファーで実現したといい、永瀬は「まさか、自分にお声掛けしてもらえるとは思いもしなかったので大変うれしかったです」と心境を明かした。
ドリアン助川の同名著書が原作の本作は、元ハンセン病患者の老女・徳江(樹木)と周囲の人々が、小さなどら焼き屋を舞台に織り成す人間ドラマを、丁寧に紡いだ作品。永瀬は、刑務所出所後にどら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎を熱演し、徳江との出会いによって「生」と真剣に向き合い前に進み始めるさまを見事に体現している。
「映画の枠を超えた何かが作品の中に息づいている気がしていました」と同作の奥深い魅力に触れた永瀬は、世界三大映画祭の一つ、カンヌ国際映画祭常連の河瀬監督作品だけに期待の掛かる同映画祭出品について「それはまだなんとも……。ただフランスとドイツが製作に入っていると聞いているので、両国の皆さんにも観ていただける機会があればいいな、とは思っています」と希望を語った。
永瀬と樹木の共演シーンなどが収められた特別映像も今回初公開され、徳江と千太郎の交流から単調だった日々に変化が起き、千太郎の目や姿勢に生気がみなぎるさまを感じることができる。(編集部・小松芙未)
映画『あん』は6月全国公開