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モーゼの十戒なのに……海は割れない!?リドリーが明かす『エクソダス』に対する究極のこだわりとは

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モーゼを演じたクリスチャン・ベイル(右)に熱血指導中のリドリー(左)
モーゼを演じたクリスチャン・ベイル(右)に熱血指導中のリドリー(左) - (C) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.

 旧約聖書に描かれているモーゼの活躍を描いたエピックアドベンチャー『エクソダス:神と王』は、壮大なスケールの物語でありながら実にリアリティーを感じさせる作品。その裏には巨匠リドリー・スコットの執念があった。

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 リドリーといえば、もともとリアルかどうかに重きを置く監督。そこで本作を手掛けるにあたり、最初の脚本は徹底的に書き直させたという。「聖書の記述は、間違いなくホラ話ではないと思うし、その脚本も十分に信じられるものだった。だけど、起こった“かもしれない”じゃダメなんだ。僕は常にそれが現実に起こったらどうなるのかを考えるようにしている」とリドリー。それゆえ、モーゼが率いるヘブライ人の解放を拒んだエジプトの民に降り掛かる10の災いなど、これまで超常現象のように伝えられてきたエピソードを、本作では科学的な考察を取り入れ、自然の摂理として描いている。

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 また映画『十戒』では、追い詰められたモーゼらヘブライ人の目前の海が割れ、彼らのために道が開かれるという名シーンがあまりにも有名だが、『エクソダス:神と王』では、海をあえて割らず、津波の前兆である引き潮のおかげで、前に進むことができたという展開になっている。そうしたリドリーのこだわりにより、物語はリアリティーを増し、結果、映像としての迫力も増したといえる。

 1億4,000万ドル(約168億円・1ドル120円計算)というリドリー史上最高の製作費を掛けた本作。とはいえ、映画を観る限り、もっと掛かっていても不思議ではない。その秘密は「普通なら、130~140日間くらいのところを74日間で撮影したんだ。予算の都合上、そのスケジュールでやらないと作れなかったよ」とのこと。限られた時間と予算で、とことん「本物」にこだわり、意志を貫いた巨匠。歴史が動く瞬間はこうして再現されていたのだ。(文:高山亜紀)

映画『エクソダス:神と王』はTOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開中

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