「エヴァ」短編を手掛けた荒牧伸志監督、『パシリム』デザイナーからラブコール
「新世紀エヴァンゲリオン」本編とは別の世界に存在する、エヴァンゲリオン「無号機」が登場する短編作品「evangelion: Another Impact(Confidential)」の制作秘話を語るニコニコ生放送番組「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第12回の放送がスタジオカラー内で行われ、同作を手掛けた荒牧伸志監督、CGディレクターの松本勝、そして石井朋彦プロデューサーらが出演した。
「evangelion: Another Impact(Confidential)」は、CGで表現された謎のエヴァシリーズ「Another No.=無号機」が、人類の制御を受け付けずに暴走し、破壊の限りを尽くすさまを描き出した短編アニメ。
本作が生まれた経緯について荒牧監督は「『パシフィック・リム』『GODZILLA ゴジラ』といった日本のコンテンツがハリウッドですごい形になるのは素晴らしい。けど、それを手放しで喜んでいいのか。日本の意地を見せたいと思っていた」と述懐。
「昨年の4月くらいに石井さんから何か短編のアイデアがないかと言われて。庵野(秀明)さんも知らない仲ではなかったので、『エヴァ』を好きにやらせてくれないかと。結構ハードルが高いかなと思ったのですが、意外にも『いいですよ』と即答で。しかもノーチェックでやっていいですよと。そこまで言われると逆にハードルが上がりましたね」と明かした。
また、かつて庵野監督が手掛けたアニメ「トップをねらえ!」に登場するロボット、ガンバスターのコックピットのデザインを手伝ったことを振り返った荒牧監督は、「クレジットを見たら(友情出演ならぬ)『友情設定』とあった。俺と庵野さんに友情があるのか確かめるために今回はやってみました」と笑顔。しかし、当の庵野監督からは「まだ(感想を)聞いていない」といい、「こっそり聞きたいですね」と語った。
すでに動画は今月6日から公開されており、石井もその反響に「さすがエヴァ」だと驚いた様子。さらに「『パシフィック・リム』のデザイナーをやった方(サイモン・リー)も『Another Impact』を観てくれて。ぜひともミスター荒牧と仕事をしたいとコンタクトがあったんですよ」と報告し、荒牧監督のさらなる活躍に期待を寄せた。(取材・文:壬生智裕)
短編アニメ「evangelion: Another Impact(Confidential)」は「日本アニメ(ーター)見本市」公式サイトで配信中