アダム・サンドラーが語る靴の修理屋が、突如別の人に変身してしまう映画とは?
映画『パンチドランク・ラブ』のアダム・サンドラーが、新作『ザ・コブラー(原題) / The Cobbler』について、スティーヴ・ブシェミ、エレン・バーキン、メソッド・マン、トーマス・マッカーシー監督と共に語った。
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同作は、母親と暮らす靴の修理屋マックス(アダム・サンドラー)は、さえない生活を送っていたある日、父親が昔使っていた機械で靴の修理をし、その靴を履いてみたところ、突如その靴の持ち主の姿に変わるという奇妙な能力を得たことで、近所で起きているアパートの地上げ問題を解決していくというドラマ。スティーヴ・ブシェミは床屋の隣人、メソッド・マンは地上げ屋のチンピラ、エレン・バーキンは地上げ屋の親分を演じている。監督は映画『扉をたたく人』のトーマス・マッカーシー。
靴を履くことで別の人物になれるなら、誰になりたいか。「祖母かな。彼女がいかに楽しそうに僕にスープを作ってくれたかを、彼女の立場で知りたい」とアダムは答え、さらにニューヨークでの撮影について「僕の家族のほとんどは、マンハッタンのロウアーイーストサイドにいる。良い料理を出すレストランや、良い人たちが多くて、撮影中、さまざまな記憶がよみがえったよ」と明かした。
地上げ屋や悪い家主との実体験について、スティーヴは「悪い家主ではないが、家主と交渉して家賃をまけてもらったことがある。なぜなら、僕の前に住んでいた借家人の家賃の請求書が郵便箱に入っていて、それが僕より100ドルも安かったんだ。そこで、本来ルームメイト禁止のアパートだったが、家主からルームメイトと住む許可を得て、家賃も100ドルまけさせた」と振り返った。
今作の製作に影響した作品についてトーマス監督は「僕と脚本家ポール・サドは、今作のインスピレーションとして映画『マーティ』を念頭に置いた。母親と暮らし、さえない毎日を送っているマックスは、マーティに似ている。あれは素晴らしい映画で、この映画と共に観てほしいね」と答えた。また、靴で人を評価することについてメソッドは「ちゃんとした靴を履いていたら、その人とビジネスをする気になることがある」と答え、一方エレンは「靴での評価ではないけど、撮影前に役柄に入り込むとき、その役柄の履く靴で、その役柄を想像していくことがあるわ」と語った。
映画は、靴によって人間のさまざまな個性が垣間見えるコメディー作品になっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)