元ゴースト新垣隆氏、バッシングされた当時を振り返る
かつて自身がゴーストライターであったことを告白し、世間の注目を浴びた作曲家でピアニストの新垣隆氏が5日、東銀座の松竹本社で行われた『ソロモンの偽証 前篇・事件』公開記念「大人の相談室」リアルタイムトークイベントに出席し、自身の経験などを語りながら現役中学生たちの悩み相談に答えた。
“うそから逃げない男”として、同級生の謎の死という真実を追い求め、葛藤する中学生が多数登場する本作の応援大使を務めることになった新垣氏は、「偽証」とタイトルに付く映画の宣伝大使を務めることに「仕事を選んでいないのでは?」という声があがると、「確かにそうなりますが、いただいた仕事が、(自分の)仕事であるわけで……」と返答。しかし、報道陣に圧倒されたのか、思わず「これからは仕事は選ぼうと思います」と反省の弁を述べる一幕もあった。さらに、彼がゴーストの片棒をかついだ佐村河内守氏に対して「心の中で観てもらいたいですね」と語るなど、リップサービスも忘れなかった。
この日、現役の中学生たちからの悩み相談を受けることになった新垣氏は、「友人が陰口を言っていたことを別の友人から教えられた。どうしたらいい?」という悩みに、「わたしも最近、バラエティー番組に出すぎだろうと言われるんです。まあ、それは悪口ではなく、正しいんですけどね」と苦笑いしつつも、「その教えてくれた友達に相談してみることをオススメします」とアドバイス。
自身が世間からバッシングされていた当時のことについて「自分の場合は、それは仕方のないこと」と受け入れつつも、「それとは別に、皆さんの生活の中で、そのようなことは……。言葉も選んだ方がいいです。どうしても悪いことを言うと、自分の方に増幅されて(返ってきて)しまいますから」とアドバイス。
自身がバッシングを受けた際は、音楽仲間に相談したそうで、「自分には仲間がいましたし、同時に多くの方が応援してくれました。そのことに助けられたんですね。『お前のやったことは確かに問題があることだけど、これからは気をつけろよ』と注意も受けました。声を掛けてくれたことが、自分にとって大きな励ましになったんです」とポツリ。新垣氏の体験を踏まえた話の数々に、中学生たちも熱心に耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)
『ソロモンの偽証 前篇・事件』は3月7日、『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は4月11日に全国公開