佐々木蔵之介、中学生にヘコまされる
ベストセラー作家・宮部みゆきが構想15年、執筆9年を費やした大作「ソロモンの偽証」が映画化された。メガホンを取ったのは『八日目の蝉』で高い評価を得た成島出監督。同級生の死に疑問を抱いた中学生が学校内裁判を開くという衝撃的な物語で、主演は役名と同じ名前でデビューすることになった藤野涼子。彼女をはじめ、1万人の応募者の中から選ばれた中学生キャストたちが、佐々木蔵之介らベテラン俳優も舌を巻く熱演を見せている。
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オーディションでは、書類審査や面談、ワークショップなど経て、合宿状態の集中トレーニングののち、1クラス分33人の配役が決定されている。その中には、藤野のようにこれがデビューとなる新人はもちろん、『アオハライド』の板垣瑞生、E-girlsの石井杏奈、『渇き。』などの清水尋也、漫才コンビ・まえだまえだの前田航基らも名を連ねた。
藤野は「父がテレビ好きだったので、小さい頃から自然に自分もテレビに映りたいと思っていました」と芸能界への憧れを吐露。その上で、この撮影で芝居の面白さに開眼したようで、「大きなスクリーンだと自分の細かい演技もよく見えるので、映画が最初でよかったなと思っています。自分では不安定な演技だなと思うところもたくさんありましたが」と自身を冷静に分析し、大器の資質を漂わせた。
また、藤野の父親を演じた佐々木蔵之介は、「彼女はものすごくしっかりしています。芝居を見て『あなたのお父さんにしてくれてありがとう』と思いました」と絶賛。ただ、中学生キャストたちの演技があまりに素晴らしすぎて、妻役の夏川結衣、校長役の小日向文世、教師役の松重豊らと共に「クライマックスの裁判のシーンでは、そうとうヘコみました」と打ち明ける場面も。並み居るベテラン俳優らをうならせた新鋭たちの演技に注目だ。(早川あゆみ)
『ソロモンの偽証 前篇・事件』は3月7日より公開
『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は4月11日より公開