死んだ我が子と薬物依存の男女の赤ん坊をすり替えた刑事…北欧サスペンス『真夜中のゆりかご』予告公開
死んだわが子と薬物依存の男女の赤ん坊をすり替えた刑事の姿を描く北欧サスペンス『真夜中のゆりかご』の予告編が公開された。第83回アカデミー賞外国語映画賞に輝いた『未来を生きる君たちへ』の女流監督スサンネ・ビアが母国デンマークを舞台に、育児放棄、ドラッグ中毒、家庭内暴力など現代社会にまん延する問題を盛り込んで、観客の倫理観を揺さぶる作品を作り上げた。
今回公開された予告編は、美しい妻と乳児の息子と共に湖畔の瀟洒(しょうしゃ)な家で幸せに暮らしていた善良な刑事のアンドレアスが、通報を受けて駆け付けた一室で薬物依存の男女による衝撃的な育児放棄の現場に遭遇するところからスタート。その後突然、自分の息子が急死したことで、アンドレアスは遺体と育児放棄されていた赤ん坊をすり替えるという決断を下す。遺体は自分の子供ではないと見抜いた女が子供を返してと叫ぶ中、返してもまた虐待されてしまうとすり替えた事実を隠すアンドレアスの姿が映し出される。
アンドレアスにふんしたのは、映画『オブリビオン』やテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」などで知られるニコライ・コスター=ワルドー。悲劇が善悪の境界線を曖昧にするとき、人はどこまで正義を見失わずにいられるのか……。ビア監督が人間の心理への深い観察眼をもって緻密に描いている。(編集部・市川遥)
映画『真夜中のゆりかご』は5月よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開