『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』ベトナム公開版、全セックスシーンがカット
マレーシアやインドネシア、インド、カンボジアなどで上映禁止となっている官能映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』が、ベトナムでは検閲の結果、全てのセックスシーンがカットされた状態で上映されていることが、The Independentなどにより明らかになった。
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カットされた長さは、合計20分以上にも及んでいるとのことで、例えば、アナがグレイに、契約を破った際どんな罰を受けるのか見せてほしいと頼んだ後、グレイがアナをベルトで打つシーンが丸ごと削除されており、その後になぜアナが泣きながらグレイのもとを去るのか、観客は流れがまったく把握できないという。
各国での上映禁止のニュースは、ベトナムでの公開前に飛び込んできており、その影響を受けて、大幅な検閲が行われたようだ。
バレンタインデーだった2月14日の公開初日、長い時間並んでチケットを手に入れて鑑賞した観客の一人は、「検閲済みのバージョンは16歳以上となっているけれど、年齢制限なんてまったく必要ない。これは5歳でも見られる映画」とコメントしているとのこと。また、同じく初日に鑑賞した別の客によれば、修正が加えられていることすら告知されておらず、一体どういうストーリーなのか、BDSM(SMプレイにおける支配と服従関係)とは何なのか観客たちには伝わらなかっただろうと話している。
ベトナムには、「わいせつ、不道徳、近親相姦、国の洗練された習慣と伝統への冒涜(ぼうとく)に値する映像、音源、セリフ、脚本を特徴とする」コンテンツを禁止するという、厳しい映像著作物の法律が存在しており、無修正版の公開が容認されるべくもなかったようだ。(鯨岡孝子)