『インファナル・アフェア』監督、ハリウッドと香港の違いに苦戦!監督がカメラを回せない!?
『インファナル・アフェア』シリーズなどで知られるアンドリュー・ラウ監督が、新作『リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン』で共同監督を務めたアンドリュー・ローと共に、ハリウッドと香港の撮影の違いについて明かした。
「香港では監督が王様なんだ」というラウ監督。同作でも撮影現場にはプロデューサーは入らずに監督二人だけが立ち会っていたといい、ロー監督も「だから自分たちが望むように、効率的な撮影ができた」と続ける。その一方でキャストには、香港人ではなくアメリカ在住のアジア人やアジア系アメリカ人を起用した理由について、「香港映画を作るわけではないとわたしが反対したんだ。香港人ばかり使えば、単純にアメリカ映画ではなくなるだろう」と語るラウ監督。
その信条からスタッフもアメリカで集めたようだが、アメリカと香港の映画製作の違いにずいぶんと悩まされたよう。「ニューヨークと香港にはかなりの違いがある。制度もかなり違っていて、脚本組合やカメラ組合の規約は厳しかった」とラウ監督は規約について言及。「香港のスタッフは、カメラマンや照明まで何でもできる。しかしニューヨークではそうはいかないんだ。何か変更があるたびにいちいち確認もいる」と述べ、「香港では僕もカメラを回すけど、こっちでは俳優組合が許さないんだ。そういう点で、多少なりとも抵抗はあったね。あと組合には規約が多くて、時間が縛られたよ」と振り返る。
環境の違いに苦労する日々だったようで「スタッフの考え方を変えなくてはならなかった。初日はかなり批判的だった」というが、結果的に「クルーも俳優も心を開いてついてきてくれたよ」と満足のいく撮影になったとのこと。ロー監督も「この映画を作るに当たって、われわれは柔軟でさえているスタッフを選んだ。最終的にクルーもキャストもみんな協力的で、とてもいい経験ができたよ」とコメントした。
本作は、非合法移民が急激に増加した1980年代のアメリカを舞台に、不法入国者たちの組織「グリーン・ドラゴン」に属した二人の若者たちの姿を描く、実話ベースのギャング映画。マーティン・スコセッシが製作総指揮を担当し、『トワイライト』シリーズなどのジャスティン・チョンや、『サムシング・ワイルド』などのレイ・リオッタらが出演している。(編集部・井本早紀)
映画『リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン』は5月1日より全国公開