オーランド・ブルーム、リベリア訪問 エボラ出血熱が流行
ユニセフ(国連児童基金)の親善大使で俳優のオーランド・ブルーム(38)が、エボラ出血熱が流行したリベリア共和国を訪問。現地時間16日から20日まで現地の視察や交流を行い、「一人一人の子供が毎日注意して予防に取り組む姿は、いまだ油断できない状況であることを再度認識させてくれます」と語った。
エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症。潜伏期間は2日~3週間とされており、突然の発熱、頭痛、筋肉痛などのほか、嘔吐(おうと)、下痢、出血(吐血、下血)等の症状がみられ、発症後2~3日で急速に悪化し、死亡例としては約1週間で死に至るケースが多い。西アフリカでは5,000人以上の子供を含む2万4,000人以上がエボラ出血熱に感染し、1万人近くが亡くなっている。
オーランドはリベリアの首都モンロビアで、エボラの予防法や知識を広める啓発活動などに取り組む「A-Line」プロジェクトのメンバーたちと面会。「わたしが出会った人々は皆、日常を取り戻すため、エボラに打ち勝つという強い意志がありました」と振り返りつつ、「エボラとの闘いの中心は、コミュニティーにあります。エボラ発症数ゼロを達成するために、コミュニティーの果たす重要な役割を支援し続けなくてはなりません」と述べた。
そのほかオーランドは、シエラレオネとの国境の近くにある小学校を視察。同小学校は、エボラ流行時には7か月にわたり閉鎖され、ユニセフの支援の下、登校時の検温や教室に入る前の手洗いの励行などエボラ感染を防ぐ新習慣を導入後、再開された。視察を終えたオーランドは「エボラ出血熱の流行によって、リベリアの100万人もの子供たちが半年も学校に通うことができませんでした。子供たちは、学校に戻ることができてとてもうれしそうでした」と明かしている。
オーランドは2009年10月にユニセフ親善大使に就任。昨年には、シリア危機の影響を受けた子供たちや家族を視察するため、ヨルダンを訪問している。(編集部・井本早紀)