“現役最高齢”マノエル・ド・オリヴェイラ監督が死去 106歳
現役最高齢の監督としても知られていたポルトガルの名匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督が、現地時間2日にポルトガル・ポルトの自宅で亡くなったことがわかった。106歳だった。ポルトの市議会が発表した。詳しい死因などについては明かされていない。
オリヴェイラ監督は、1931年に短編ドキュメンタリー映画『ドゥノ、ファイナ・フィブアル(原題) / Douro, Faina Fluvial』で監督デビュー。1942年には初の劇映画『アニキ・ボボ』(劇場未公開)を公開するも、興行的に失敗し負債を抱えてしまい、家業の織物工場やワイン製造業などに従事するため映画界から離れることに。しかし同作が1954年にサンパウロ国際映画祭で再評価されたことをきっかけに、再び映画に取り組むようになり、63歳の時の作品『過去と現在 昔の恋、今の恋』(1971・日本劇場未公開)で注目を浴びた。
その後多くの国際映画祭で功労賞が授与されたほか、1991年には映画『神曲』が第48回ベネチア国際映画祭の審査員特別賞に輝き、1999年には映画『クレーヴの奥方』が第52回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した。100歳を超えてからもその製作意欲は衰えず、2012年には新作長編『家族の灯り』を発表し、2014年には新作短編映画『オ・ベル・ド・リステロ(原題) / O Velho do Restelo』をベネチア国際映画祭などで披露していた。しかし近年はたびたび体調を崩していることが報じられ、2012年には療養のためにベネチア国際映画祭への現地入りを見送っていた。(編集部・井本早紀)