『バトル・ロワイアル』的少年少女サバイバルが、今アツい
核戦争から約100年後の地球で少年少女たちが決死のサバイバルを繰り広げる海外ドラマ「The 100 / ハンドレッド」のDVDが発売される。
舞台は核戦争の放射能によって地球が壊滅してから約100年後の世界。人類はアークと呼ばれる宇宙ステーションで暮らしていたが、アーク内の空気が残り3か月で消滅することが判明。そこで政府は、人間が生活できるレベルまで地球環境が回復しているかを確認するため、少年院に収容されている18歳以下の少年少女たち100人を地球へ送り込む。
大自然における子供たちのサバイバルといえば、ウィリアム・ゴールディングの小説「蝿の王」が有名だが、本作は近未来を舞台にした寓話(ぐうわ)的な残酷物語であり、大人たちの思惑によって子供たちが極限状態に置かれるという設定を鑑みれば、映画『バトル・ロワイアル』や『ハンガー・ゲーム』を彷彿(ほうふつ)させる要素が多い。
人類の未来を託された100人の少年少女の中には根っから攻撃的で暴力的な者もいれば、ささいな軽犯罪で捕まった者、一人っ子政策の敷かれたアーク内で違法に生まれた者など、不良のレッテルを貼られた彼らの境遇もさまざまだ。ゆえに、おのずとグループや派閥が生まれ、強者と弱者のヒエラルキーが構成され、それらの対立がやがて生き残りを懸けた戦いへと発展していく。
未熟な少年少女たちが、理性と本能のはざまで揺れ動きながら、殺し合いを含めた究極の選択を迫られていく姿はまさに『バトル・ロワイアル』だし、身の回りの物をフル活用した壮絶なサバイバルアクション、身勝手な権力者への不信感などは『ハンガー・ゲーム』そのもの。彼らを襲う新たな種族など、謎が謎を呼ぶ「LOST」的中毒作用をもたらすストーリー展開にもグイグイ引き込まれ、10代ならではの切ない恋愛や友情も盛り込んだみずみずしい青春ドラマとしても見応えありの野心作だ。(なかざわひでゆき)
「The 100 / ハンドレッド <ファースト・シーズン>」DVDコンプリート・ボックス7枚組(税抜き:9,400円)は4月22日発売、 レンタル同時開始