ヴィゴ・モーテンセン主演×「異邦人」カミュ原作『涙するまで、生きる』予告編
ヴィゴ・モーテンセン主演で、「異邦人」などで知られるノーベル賞作家アルベール・カミュの短編集「転落・追放と王国」の一編を映画化した『涙するまで、生きる』の予告編が公開された。
本作は、フランスからの独立運動真っただ中にある1950年代のアルジェリアを舞台に、殺人容疑で連行されてきたアラブ人と元軍人の教師(ヴィゴ)が、誤解や復讐(ふくしゅう)の連鎖で加速する争いに巻き込まれながらも友情を育み、互いの人間性に目覚めていく姿を活写するヒューマンドラマ。ショートフィルムを中心に活躍してきた新鋭ダヴィド・オロファンがメガホンを取った。
公開された映像では、フランス語とアラビア語を自在に操りながら、二つの祖国の板挟みとなったカミュ自身が投影された主人公を体現するヴィゴが映し出されている。山道を進んでいく途中、襲撃や戦闘などに遭遇しながらも、厳しい現実の中で静かに絆をつなぐ二人の姿に胸を揺さぶられること請け合いだ。
さらに、最後に挿入された「お前は生きてる それを喜べ 生きてる!」というヴィゴの悲痛なセリフは、戦争の悲劇や正義の不条理さを伝えており、人生の本質を観客に問い掛けている。(編集部・吉田唯)
映画『涙するまで、生きる』は5月末にイメージフォーラムほか全国順次公開