トニー・レオン、香港アカデミー賞で久々に登場!存在感をアピール!
現地時間19日、今年で34回を迎えた香港のアカデミー賞こと香港電影金像奨授賞式が香港文化センターで開催。昨年12部門を制覇する快挙を果たした映画『グランド・マスター』以来、長期にわたって俳優業を休業しているトニー・レオンが、久しぶりに現地マスコミやファンの前に現れた。
この日、新人俳優賞&監督賞のプレゼンターとして、ヴァレンチノのスーツ姿で登場したトニー。同じくプレゼンターを務めたスー・チーと共に次世代を担う若手にエールを送る中、自身も出席者から選ばれるベスト・ファッション賞を受賞。主演と助演合わせて7回という、同賞の最多受賞男優としての存在感を強くアピールすると同時に、次回作への期待を高まらせたのは言うまでもない。
そして、作品賞・監督賞など、最多5部門で受賞したのは、出世作『ラスト、コーション』でトニーと共演、ハリウッドデビュー作『ブラックハット』が来月に日本公開されるタン・ウェイ主演『黄金時代』。魯迅などと交流しながら、日中戦争など、激動の時代を生きた女流作家シャオ・ホン(1911~42)の波乱の人生を演じ、ベネチア国際映画祭でクロージングを飾った歴史大作だ。香港の市民権を持つタン・ウェイと5度目の監督賞受賞となる女性監督アン・ホイによるコラボは、多くの香港映画人からの支持を集めたことで、日本公開も期待したいところ(第27回東京国際映画祭・第10回大阪アジアン映画祭では上映済み)。
続いて3部門での受賞となったのが、『盗聴犯』シリーズ3作目にあたる『竊聽風雲3(原題)』。今回も盗聴を通じ、地上げなどの不動産や金融問題に鋭く切り込むサスペンスが展開されており、8年ぶり2度目の主演男優賞となるラウ・チンワンは声を詰まらせながら、その喜びを語った。
ちなみに、主演女優賞候補の中でも本命視され、会場の外でも多くのファンの歓声に包まれていた『セーラ』(第10回大阪アジアン映画祭で上映)のシャーリーン・チョイ(アイドルユニットTwins出身)や、ともに最優秀オリジナル作曲賞の候補だった日本人作曲家・岩代太郎(『太平輪:亂世浮生(原題)』)と梅林茂(『黄飛鴻之英雄有夢(原題』)は残念ながら受賞とはならなかった。(取材・文:くれい響)
主要部門の受賞結果は以下の通り
■最優秀作品賞
『黄金時代』
■主演男優賞
ラウ・チンワン『竊聽風雲3(原題)』(日本公開予定)
■主演女優賞
ヴィッキー・チャオ『親愛的(原題)』(日本公開予定)
■助演男優賞
ケネス・ツァン『竊聽風雲3(原題)』
■助演女優賞
イヴァナ・ウォン『金鶏SSS(原題)』(日本公開未定)
■監督賞
アン・ホイ『黄金時代』