巨大スズメバチが人を襲う!話題のパニック映画が登場
トライベッカ映画祭(Tribeca Film Festival 2015)で話題のパニック映画『スタング(原題) / Stung』について、主演マット・オリアリーとジェシカ・クック、ベニー・ディエズ監督、脚本家アダム・アレスティが語った。
ある未亡人が開催するパーティーで、その準備をするケータリング会社のジュリア(ジェシカ・クック)とポール(マット・オリアリー)が、パーティー開始早々に何千匹ものスズメバチに襲われ、いったんは参加者たちと共に屋敷に逃げたが、さらに巨大化したスズメバチは屋敷に侵入し、次々に人を襲っていくさまを描いた本作。『メランコリア』でVFXを担当したベニー・ディエズがメガホンを取った。
今作は、脚本家アダムの実体験から生まれたそうだ。「僕は主人公ポールのようにケータリング会社のバーテンダーとして働いていた。実際に製薬会社の大物の屋敷の庭でケータリングの仕事をしていたとき、僕がカクテルを作ったバーの横の木に、大きなスズメバチの巣があった。そして僕は想像を勝手に膨らませて、襲われることを想定したのが、今作のきっかけとなった」と思わぬ場所で企画が生まれたようだ。
映画は1980年代のパニック作品をほうふつさせるが、影響を受けた作品は、ギレルモ・デル・トロの映画『パンズ・ラビリンス』とのこと。「あの映画の昆虫の姿をした妖精のように、今作のスズメバチを詳細に描きたいと思った。そのため通常のスズメバチはもちろんのこと、タランチュラも殺す海外のスズメバチなど、さまざまなスズメバチのデザインを施した。途中、日本のモンスター映画も鑑賞したが、あくまで自然のスズメバチに回帰し、自然こそが人間が最も恐れているものだと自分に言い聞かせながら製作した」とベニーが説明した。
劇中ではコミカルなシーンも多い。「仮に誰かが負傷したとしても、他の誰かから見たら、その負傷が全くばかげたことから起きたように見えることが現実にはある。そのようなアプローチから僕は、今作のコミカルな箇所を演じた」とマットが語ると、ジェシカは「恐怖にさらされたときに、その恐怖に負けないように、自己防衛として自然にジョークを言う箇所が今作では気に入っている」と答え、劇中ではそんなジェシカ演じるジュリアが、スズメバチに襲われるポールを3度も助けるシーンがある。
本作は、昆虫パニック作品の醍醐味(だいごみ)をふんだんに盛り込んだ究極のB級映画だ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)