河瀬直美『あん』カンヌ「ある視点」部門正式出品が決定!
第68回カンヌ国際映画祭
樹木希林が主演を務める河瀬直美監督作『あん』が、フランスで開催される第68回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門にオープニング作品として正式出品されることが決定した。河瀬監督は、今回で7作品目のカンヌ出品。日本人としては、今村昌平監督と並び史上最多になるという。
本作は、詩人や作家、ミュージシャンとして活動するドリアン助川が手掛けた同名小説の映画化作品。どら焼き屋で働く老女(樹木)の姿を通して、人が生きる意味を観客に問い掛ける人間ドラマとなり、樹木のほか、永瀬正敏、市原悦子、水野美紀、浅田美代子、さらに樹木の孫娘・内田伽羅が出演する。
『萌の朱雀』(1997/監督週間出品)でカメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞して以来、カンヌと河瀬監督の縁は深い。2003年には『沙羅双樹』がコンペティション部門に選出され、2007年の『殯(もがり)の森』では審査員特別グランプリを受賞。2009年には『火垂』が監督週間に選出され、映画祭に貢献した監督に贈られる「金の馬車賞」を受けている。そして2011年に『朱花(はねづ)の月』、2014年に『2つ目の窓』がコンペ部門に出品。本作がカンヌ映画祭出品7作目の映画となった。
「継続的に良質な作品を創り続けること。それはどんどん山が高くなることです」と語る河瀬監督は、それでも作品を生み続け、2年連続でカンヌ映画祭に公式招待されたことに「誇りを感じます」とコメント。「素晴らしいスタッフとともに、こういった作品の監督であれた幸せを噛み締めています。ありがとうございました」と感謝を述べている。
また、樹木も今回の出品に、「映画本来の『鑑賞』をして頂ける特別枠に選ばれたことが喜ばしいです」と歓喜。「また日本人でこういう監督が出てくることがたくましくて頼もしい。『あん』は一人歩きしていく。多くの人に観てもらいたい作品です」と語ったほか、永瀬も「驚きました、心から光栄に思います」とコメント。同映画祭名誉会長のジル・ジャコブ氏も「この作品に集った才能、河瀬監督のそれは特に素晴らしく、世界に伝わるユニバーサルな作品であり、ほぼ完璧な作品を創られていると思います」と絶賛しており、世界中から注目を浴びることは間違いなさそうだ。(数字などは宣伝調べ)(編集部・入倉功一)
映画『あん』は5月30日より全国公開