テレビ業界の闇…悲惨映像専門パパラッチを描く、オスカーノミネート作が8月公開
視聴率のために倫理を踏み外した悲惨な映像を欲しがるテレビ業界の裏側と、それを非難しながらも求める現代社会の闇をテーマに、報道スクープ専門の映像パパラッチたちを描き、本年度アカデミー賞脚本賞にノミネートされた映画『ナイトクローラー』の日本公開日が8月22日に決定した。主演はジェイク・ギレンホール。
ジェイク・ギレンホールの冷たい目線…映画『ナイトクローラー』フォトギャラリー
本作のタイトルである「ナイトクローラー」とは、刺激的な映像を求めて夜の街を這い回り、手に入れた映像をテレビ局に売って金を得る映像パパラッチのこと。警察無線を傍受して猛スピードで車を走らせ、いち早く事件・事故現場に駆け付け被害者にカメラを向ける彼らの映像は、過激であればあるほどテレビ局に高額で買い取られる。
劇中でジェイク演じる主人公ルーは、学歴もコネもなく仕事にあぶれていたところ、通りかかった事故現場でナイトクローラーの存在を知る。さっそくビデオカメラを手に入れ、彼らの仲間入りを果たしたルーの映像は、良心の呵責(かしゃく)など1秒たりとも感じさせない過激さで高く売れるものの、テレビ局の要求はさらにエスカレートしていく。そしてルーは、ついに一線を越えてしまう。
今回公開されたポスタービジュアルには、暗い夜道にたたずむルーの姿が。生気が感じられない彼の表情や「他人の〈破滅〉の瞬間に、カメラを持って現れる-」というキャッチコピーから、同作で描かれる狂気の世界を垣間見ることができる。監督・脚本は、『ボーン・レガシー』の脚本を手掛けたダン・ギルロイ。ギルロイは今作で監督デビューを果たしている。(編集部・井本早紀)
映画『ナイトクローラー』は8月22日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて全国公開