ダーレン・アロノフスキー監督、10代で麻薬王となった実在の男の半生を映画化
映画『ブラック・スワン』『ノア 約束の舟』のダーレン・アロノフスキー監督が、10代でデトロイトの麻薬王となった“ホワイト・ボーイ・リック”こと、リチャード・ウェルシェの半生を描いた映画の製作企画を進めていることが明らかになった。The Hollywood Reporterほか複数のメディアが報じている。
【動画】ダーレン・アロノフスキー監督『ノア 約束の舟』来日記者会見
本作は、アロノフスキー監督と彼の製作パートナーの制作会社プロトゾア・ピクチャーズの下で企画されている作品。リチャード・ウェルシェは、1980年代に“ホワイト・ボーイ・リック”という名で、デトロイトの黒人が多く住むイーストサイドでコカインを密売し始め、同時に、おとり捜査の密告者としてFBIやDEAのために働いてライバルを蹴落とし、自らデトロイト市内の麻薬王になっていった。だが、17歳のときに8キロのコカインの所持で逮捕され、執行猶予なしで終身刑を言い渡され、現在40代半ばの彼は今も服役している。
もっとも、今作以外に2作品が“ホワイト・ボーイ・リック”を題材に製作に入っている。一つはユニバーサル・ピクチャーズが、記事「ザ・トライアル・オブ・ホワイト・ボーイ・リック」をもとに、映画『オブリビオン』のジョセフ・コシンスキー監督で製作を進めており、もう一つは制作会社スタジオ8が、映画『スウィート・エンジェル』のローガン・ミラーとノア・ミラーが執筆した、“ホワイト・ボーイ・リック”を題材にした脚本の映画化権を今年2月に獲得して、これもまた製作が始動している。
ただ、リチャード・ウェルシェは個人的にアロノフスキーのプロジェクトだけに関わると主張しているようで、アロノフスキーの作品が有利になると思われる。果たして、どのような作品になるか楽しみだ。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)