安倍首相の母・洋子さん、映画題字に込めた被災地への思い
安倍晋三内閣総理大臣の母・安倍洋子さんが題字を揮毫(きごう)した映画『ライアの祈り』の特別試写会が千代田区にある憲政記念館講堂で行われ、洋子さんが本作の製作総指揮の川阪実由貴らと出席。本作の舞台となった青森県八戸市の小林眞市長に手書きの題字を贈呈した。舞台あいさつには出演者の藤田弓子、水嶋仁美、前田倫良、原作者の森沢明夫黒川浩行監督、さらに本作の応援隊長を務める朝青龍も出席。安倍首相も登壇予定だったが公務のため欠席となり、代わりにメッセージが読み上げられた。
本作は、映画『津軽百年食堂』(2011)のスタッフによる青森が舞台の人間ドラマ。恋や人生に臆病になっていた女性が、人間本来の生き方のエッセンスに満ちた「縄文時代」に触れ、自身の幸せのかたちを見出す姿を描く。鈴木杏樹が芸能界デビュー24年にして映画初主演。そのほか、宇梶剛士、武田梨奈らも出演する。
洋子さんは、普段から親交があるという川阪から題字の依頼を受けたときを振り返り、「当初は突然のことではございますし、わたしにそんな大役ができるのかと戸惑ったのですが、彼女からいろいろお話しを伺って、この映画にかけていらっしゃる非常に熱い思いに感動いたしました」とコメント。
題字には、東日本大震災の被災地である東北への思いが込められているといい、「日本人が大きな心の傷を負ったと申しますか、あのときの思いが今も忘れられないわけではありますが、そうした中で、ご当地の方々が前向きに前進していかなければならないという、大変な勇気を見出してやっていらっしゃることに大変頭の下がる思いです」と切り出すと、「一日も早い復興に向けて頑張っていかないとならないという思いはわたしも同じ。そうした思いと祈りを込めまして一生懸命に書かせていただいた次第でございます」と語った。
さらに「わたしにとっても忘れられない思い出となりました。感謝しております」と関係者に感謝の気持ちを述べた洋子さん。最後は「皆さんと一緒にこの映画を応援していただきたいと思います」と笑顔を見せていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『ライアの祈り』は2015年初夏公開