「パックマン」生みの親、ハリウッド映画に登場した“わが子”の勇姿に感激
パックマン、ドンキーコング、スペースインベーダーなど、日本発の名作ゲームのキャラクターたちが地球を侵略する奇想天外なSFアドベンチャー『ピクセル』の公開に先駆け、18日、東京・ソニー・ピクチャーズ試写室で、マスコミ向けに「特別フッテージ」の上映会が行われ、パックマンの生みの親である岩谷徹教授(東京工芸大学)が出席。本作の撮影現場に招待された際のエピソードや、作品の見どころを語った。
本作は、NASAが宇宙人との交流を夢見て発信した友好のメッセージを宣戦布告と勘違いしたエイリアンが、ゲームキャラクターにふんして地球攻撃を開始するというSFアドベンチャー。8分37秒の「特別フッテージ」では、パックマン、ギャラガ、センチピードなどが、攻撃対象をブロック状にピクセル化してしまう力で世界中の都市を破壊し始め、これにアダム・サンドラーふんする元ゲームオタクたちが立ち向かっていく。サンフランシスコを舞台に、パックマン対モンスターに見立てたカラフルなミニ(クルマ)のカーチェイスが見ものだ。
岩谷氏は「アメリカでは『パックマンは正義の味方』と思ってもらっているので、地球を攻撃しにくるという設定は衝撃だったようです。主演のアダムはパックマンの大ファンで、家にゲーム機を持っているそう。(メガホンを取った)クリス・コロンバス監督も『今回の撮影でプロフェッサー・イワタニに会えたことが誇り』と語っているらしいですね」と笑顔。「(主演女優の)ミシェル・モナハンは日本滞在経験があって日本語がペラペラ。あんな美人と日本語で会話して、顔が赤くなってしまいました」と撮影現場の思い出を振り返った。
パックマンは1980年にアーケードゲームとして発表され、今年で生誕35年。今週金曜日の5月22日が、記念すべき誕生日(渋谷でロケテストを開始した日)だ。「パックマンを作った当初は、完全に2Dの世界で、3Dのしかも映画になるなんて思ってもいませんでした」という岩谷氏は、敵役としての登場にも、「僕はクリエイティブな部分には介入しないつもりでした」と証言。「でも映画版でも、パックマンの基本キャラは守られていますね。とにかく3Dの圧倒的な存在感がすごい。いままで心の中で存在していたものが実際のビジュアルになって立ち上がった、そんな感動がありました」と大変身を遂げたパックマンの勇姿に興奮気味だった。(取材/岸田智)
映画『ピクセル』は9月19日より全国公開