大泉洋、戸田恵梨香の笑い上戸ぶりを暴露
映画『駆込み女と駆出し男』で共演した大泉洋と戸田恵梨香が、江戸言葉の応酬で苦労した撮影時のエピソードを語った。
井上ひさしの小説を映画化した本作は、江戸時代の縁切寺を舞台に、寺に駆け込んだワケあり女たちと、彼女たちの手助けをする医者見習いで駆け出し戯作者・信次郎との交流を描く人間ドラマ。試写を観た信次郎役の大泉は、「斬新でオシャレでスケール感がある映画」と感想を述べ、暴力亭主から逃れてきたヒロイン・じょご役の戸田も、「ザ・時代劇というトーンではなく、どこか身近に感じるような作りで、本当に面白かった」と満足げな表情を浮かべる。
だが、戸田は本作のオファーを受けたとき、「正直なところ、お受けするつもりはなかった」のだという。その真意について、「『自分には難しいのでは?』と思ってしまったんです。いわゆる時代劇のお芝居をすることに不安があって。でも、原田(眞人)監督が『現代感覚のお芝居でいい』と言ってくださったので、安心できました」と説明。不安を払拭(ふっしょく)したあとは、鍛冶場で鉄を練っていたじょごを演じるために、2か月前からトレーニングをして撮影に臨んだそうだ。
一方、大泉が演じた主人公の信次郎は、その場の作り話でピンチをも回避してしまう話術の天才。セリフの量も膨大だったのだが、「“間違っても芝居をやめない”というのが、現場のルールだったんです。多少とちったりしても、『自分はこのシーンをやめないぞ!』という勢いのほうが大事でした」と撮影を振り返る。「……でもね、戸田さんがよく笑っちゃうんですよ。それでも芝居を続けようとするんです。完全にアウトなのに」と話す大泉に戸田が「つい、ギャハハハって笑っちゃうんですよね(笑)」と返すなど、NG話で大いに盛り上がっていた。
最後に、「井上ひさしさんのファンの方にも楽しんでいただけるはずです。この映画に出られて、本当によかった」と戸田が真摯(しんし)な思いを打ち明けると、隣の大泉も感じ入ったように深くうなずいた。(取材・文:斉藤由紀子)
映画『駆込み女と駆出し男』は公開中