カンヌコンペ作『海街diary』海外批評家の反応は?
第68回カンヌ国際映画祭
第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されている映画『海街diary』の公式上映から一夜明けた現地時間15日、フランスの映画誌「le film francais」で星取り表(「Le Monde」「La Croix」などフランスの各雑誌・新聞記者の評価を集めた表)が発表された。
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『海街diary』は、『そして父になる』の是枝裕和監督が吉田秋生のベストセラーコミックを映画化したドラマ。鎌倉に暮らす3姉妹(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆)とその異母妹(広瀬すず)が共同生活を始めて本物の家族になっていくさまが、移り変わる美しい景色や季節ごとの食事と共に描かれる。邦画では今年唯一のコンペ作だ。
採点した8人の内訳は、5段階評価の最上級「パルムドール」を付けたのが1人、三つ星が1人、二つ星が1人だが、一つ星が4人、「全然ダメ」が1人と比較的厳しめな印象。コンペ作の公式上映が始まった14日には同作と『ゴモラ』などで知られるマッテオ・ガローネ監督の新作『テール・オブ・テールズ(英題) / TALE OF TALES』(イタリア)が上映されたが、こちらは採点した14人中「パルムドール」が0人、「全然ダメ」が6人という一層厳しい結果だった。
また、『海街diary』は英米メディアでは「ラプソディーのような季節の移り変わりや家族が大切にする料理の伝統がリリカルに物語に織り込まれており、そうしたシーンはある観客には言いようのない喜びを与える。ただ、ドラマ性の欠如に退屈する人もいるかもしれない」(Variety誌)、「そよ風のようだが力のない物語」(The Hollywood Reporter誌)、「静かで、控えめで、優しく、機微をくみ取る喜びを与え、素晴らしいフレッシュさと清らかさを提示した映画」(The Guardian紙)など4姉妹とその周囲の人々の日常をつづる表現に賛否が分かれた。
コンペ部門の結果は現地時間24日に発表される。(編集部・市川遥)
第68回カンヌ国際映画祭は24日まで開催
映画『海街diary』は6月13日より全国公開