菊地凛子、絶対に幸せになりたい
女優の菊地凛子が28日、渋谷のユーロライブで行われた映画『THE COCKPIT』公開記念トークショー「クリエイションの悦びと憂鬱」に三宅唱監督、松井宏プロデューサーと出席。映画と音楽の違いなどを語った。
長編劇映画デビュー作『Playback』が高く評価された三宅監督の最新作『THE COCKPIT』は、注目のヒップホップアーティストOMSBらがマンションの一室で楽曲を生み出すまでのプロセスをつづった音楽ドキュメンタリー。菊地は「『THE COCKPIT』がとにかく面白くて。こんな作品を作る三宅さんはどんな人なんだろうと思い、(上映後に)酔っ払いながらも熱く語り合ったんです。それが本当に楽しくて、そういう経緯で今日は呼んでもらいました」と明かす。
この日は『THE COCKPIT』と並行して撮影され、同作とは「対の作品」と紹介された『無言日記/201466』を上映。同作は三宅監督が目にした身の回りの出来事をiPhoneで撮影したもので、1年間を66分に凝縮している。菊地は「(映し出されるのは日常の風景なのに)ここから映画的なストーリーが始まるんじゃないかというような想像力がかき立てられる」とすっかりはまった様子だった。
続けて「『THE COCKPIT』を観て、大変なことなのにミュージシャンはなんであんなに楽しそうなんだろうと思った」と切り出した菊地は、「映画は楽しいと言いつつも、どこかで痛みを感じる部分もあって。それはカメラとパーソナルな部分がぶつかるからそう感じるのかもしれませんが。わたしはRinbjoという名前でアルバムを出したんですが、音楽は苦しみがありつつも痛みがないなと思ったんです」とその違いを感覚的に説明。
その後も、三宅監督の作風をあれこれと分析してみせた菊地は「なんだか楽しくなってきちゃった!」と弾んだ声。それを受けて「映画の中で幸せそうにしているヤツを観ることが、映画を観る理由になり得ると思うんです。結局、幸せになりたいなと思うんですよ。って、これは松井(プロデューサー)が言った言葉なんですけどね」と照れながら語った三宅監督に、菊地も「絶対に幸せになりたいですよね」と深くうなずいていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『THE COCKPIT』は5月30日より渋谷ユーロスペースにて公開