綾野剛は小動物!? 伊勢谷友介が語る「人たらし」の一面とは
歌舞伎町で熾烈(しれつ)な争いを繰り広げるスカウトマンの世界を描いた映画『新宿スワン』で、綾野剛が演じる主人公・龍彦を見いだしたアニキ格の真虎を演じた伊勢谷友介が、綾野について語った。
伊勢谷は初共演となった綾野を「周囲の人に愛情を持って関わってくれる人。理路整然としているタイプではない分、みんなも集まってくるのかな。今、僕の話を聞いている様子なんかも、ちょっと小動物みたいですよね(笑)。かわいげがある人です」と評する。もともと、世代のアイコンとして伊勢谷を尊敬していたという綾野は「伊勢谷さんは何でも許してくれました。飲みの席で帰ると言われても『まだ、やだ』というと、『わかったよ』と付き合ってくださる。面倒くさがりながら折れてくれる優しい感じなんです」と彼に甘えていた様子を明かす。
「僕らの上の世代はメチャクチャな人が多くて(笑)、だから僕らはなるべくいい子でいようと頑張った世代なんです。でも、今は若い俳優たちがすごくおとなしい。(秀吉役の山田)孝之は見た目よりもずっと優しいニュアンスの子ですし、関(を演じた深水元基)なんて、こんな(怖い)ルックスですけど、優しすぎて人を殴れないくらいでした」と撮影現場の弟分たちの様子を振り返る伊勢谷。「その中でも綾野くんは意外と元気で、年上年下かかわらず、みんなを巻き込んでいった。おとなしいように見えますが実はそうじゃなくて、人を愛してくれる『人たらし』なんじゃないかな」と綾野の人柄・その魅力を分析する。
互いの印象を語る中で、どこか劇中の龍彦と真虎の関係を思わせる綾野と伊勢谷。「俳優としては、スワンの美しい部分だけ見てもらえればいい。これだけ頑張りましたというのは、映画には確実に映っていますが、僕らは出来上がったものしか提示できないですから」と綾野が語るように、ハードな撮影の中で培われた信頼関係が、映画『新宿スワン』には詰まっているようだ。(取材・文:早川あゆみ)
映画『新宿スワン』は全国公開中