オーストラリアの砂漠を横断した女性が明かす映画『奇跡の2000マイル』とは?
ミア・ワシコウスカ主演の話題作『奇跡の2000マイル』について、実際にオーストラリア西部の砂漠を愛犬と4頭のラクダと共に横断した女性ロビン・デヴィッドソンが語った。
【写真】ロビン・デヴィッドソン原作、ミア・ワシコウスカ主演『奇跡の2000マイル』
オーストラリアの砂漠横断を計画したロビン(ミア)は、ラクダの調教と砂漠で生き残る訓練をして、ナショナル ジオグラフィック誌の資金援助と引き換えに同誌の写真家リック・スモラン(アダム・ドライバー)の写真撮影を引き受け、愛犬とラクダと共に旅に出る。ロビンの自叙伝を映画『ストーン』のジョン・カランが映画化。
オーストラリアの砂漠を横断する旅に出た理由は「そのときは良いアイデアだと思ったし、誰もこのようなことに興味を示すとも思わなかった。本質的にやりたかったのは、母国の砂漠とアボリジニの文化を理解することで、市内に住む少数のアボリジニだけでは理解することは難しかった。出発地のアリススプリングズに着いた時には6ドル(約720円・1ドル120円計算)しかなくて、ジープに乗ることもできなかったの。でもこの地域には、ラクダの飼育や電報のシステムもあったから、一人で旅に出ても大丈夫だと思った」と答えた。その後この地で2年間の準備を経て旅に出たそうだ。
仲間と一緒に行こうとは思わなかったのか。「全く考えなかったわ。わたし自身は極力目立たないように行動し、誰にもわたしの旅に関わってほしくなかった。あくまで個人的に行動したかったの。最初から多くの人がこの旅に参加したがり、友人も同行したいと言ってきたけれど、彼らを出発前に追い払ったわ。だから、最終的にナショナル ジオグラフィックから旅費の許可が下りたときは、葛藤があった。なぜなら、幾つかの通過点で写真家に写真を撮らせることと引き換えに、必要なお金を受け取ったから」と出発前にいろいろ悩んだようだ。
同行したラクダと犬について「彼らはわたしの友人だった。わたしが連れていったラクダは、わたしが調教したのよ。でも真の友はわたしの愛犬で、彼女は最も素晴らしい犬で、旅の間、何度もわたしの命を救ってくれた。この旅を通して、まるで動物と一つになったように、互いに頼りにし合い、助け合って行動した。そして、全ての動物に個性があることも理解できたわ」と振り返った。
映画は、過酷な自然に向き合い、人間の限界に挑戦するミア・ワシコウスカの演技が圧巻だ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)
映画『奇跡の2000マイル』は7月18日より有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開